哲学者 マルクス・ガブリエルの『アートの力 美的実在論』を読了。
Twitterで遭遇したサイン本販売情報↓
に反応して入手叶った著書。
購入に至った背景には注目を集めている哲学者としてマルクス・ガブリエルの名を承知していたことがあり、
中身をぱらっとしてみた感じ「大丈夫かなぁ」なんて前向きに受け止めていましたが、実際読み始めてみると・・
専門用語も散見され「難しかったなぁ」と。もっとも本編で腹落ち出来なかった部分、巻末の訳者解説 で大池惣太郎さんが
” 本書『アートの力』を読めば、アートに当惑する経験は誰の身にも訪れるものだ、ということがわかるだろう。というのもガブリエルによれば、「どんなアート作品にも共通に備わる内容など存在しない」からだ。つまり、アートの存在論は作れないのである。”(p225)
や
” 作品にまつわる知識や状況、作品を受容する人の状態は、作品の解釈に当然関わってくる。その事実を含み込んだ上で、アートの力は絶対的だ、というのが、本書の論点である。”(p236)
といった具合、20ページ超に及んでブレイクダウンされており、手助けを得られます ^^
哲学者が紐解くアートの力
本編では
” アート作品には、人に自分を思考させる能力があるのだ。そしてその能力は、私たちがアート作品について考えるときに発現する。”(p66)
に、
” ところがアートは、異なる前提の上に成り立った別世界をしばしば創造することで、私たちに一見必須であるかに見えた世界観が、実は偶然的なものであることを教えてくれる。
アートはそのようにして、私たちの世界像にデフォルトとして組み込まれた存在論に対し、異議を唱えるものだ。”(p209)
といった論から導かれし、結論(p219〜)は? 稀代の哲学者が斬り込むアート論に知的好奇心刺激される方々に読み応えあるものと思います。