ギターリスト Marty Friedman:マーティ・フリードマンの『マーティ・フリードマン自叙伝 音旅のキセキ』を読了。
(2024年)3月下旬に開催された
発売記念で入手していた経緯。
本書について、マーティ(・フリードマン)さんは
” この本を作ろうと思った理由についてシンプルに言えば、「僕がどれほどおもしろい人生を送ってきたかを知ってもらいたかったから」ということになると思う。”(p19)
と冒頭の「旅路に向けて」で述べられ、
TOUR-01 少年マーティの形成
TOUR-02 本格的バンド活動の始まり
TOUR-03 ジェイソン・ベッカーとカコフォニーとソロ・アルバム
TOUR-04 90年代とメガデス時代
TOUR-05 メガデスで感じた達成感・・・そして脱退
TOUR-06 ソロ・アーティストとしてのアイデンティティ
TOUR-07 TOKYO LIFE!
TOUR-08 音楽がつないだ日本でのキセキ
TOUR-09 ソロ・アルバムへの情熱 ー すべては音楽のために
TOUR-10 まだまだ音旅の途中
という章立てに沿い、マーティさんが語った内容が300ページに迫るボリュームで文章化されています。
・・Megadeth、そして日本 〜
本編では、
” ヘンな話、よく自殺せずに済んだと思うくらいだよ。自殺とまで言うとちょっと話が大袈裟になってしまうけど、僕の心は松浦亜弥とかに夢中なのに、実際に仕事としてやってるのはスラッシュ・メタル。その両極端な状況によく耐えられたものだな、と今でも思う。”(p173)
に、
” そこでまずしなければならないのは、ムステインのリズム・ギターをマネすることだった。当然ちゃんと正確に弾かないと駄目だから、かなり苦労をしたよね。
そして、そのうちに右手が駄目な状態になっちゃったんだ。”(p128)
と一躍脚光を浴びる立場になったMegadeth加入から脱退へ至るカウントダウンに、メンバーとして役割を果たすために払ったキャリアを左右しうる代償等、本書を手にした多くの人が期待するであろう(Megadeth時代の)内容に、
” 大好きで仕方がない音楽が常に流れてるわけで、これはもう住むしかないと思うようになったワケ。
それを実現させるうえでの最大のハードルはやっぱり日本語だろうと思ったし、だからこそ、それを学ぶことにあんなにも一所懸命になれたんだと思う。”(p196)
↓
” 当時はなんてことない普通の家だと思っていたけど、そのウィークリー・マンション暮らしをしていたときに、あれは豪邸だったんだと知ったね。”(p208)
と住環境を激変させてまで行動に移した迸る日本(≒邦楽)愛に、
J-POPのコード進行について語るマーティ・フリードマン
” 音楽家としてうまくなるうえで忘れてはいけないのは、「うまくなる切っかけが目の前にあったら、必ずそれをやるべきだ」ということ。”(p193)
これは(既述の)発売記念イベントでもマーティさんに質問が飛んだ内容で、本前半はプロミュージシャンへ邁進していく日々について分量割かれており、そこから得られた教訓等興味深いものでした。
私にとってのMarty Friedmanは・・
また、
” 誤解を恐れずに言うと、僕自身は歌がうまいかどうかについてはまったく関心がない。興味があるのは、そこに「魔法」があるかどうかだけ。だからスーパーうまいヴォーカルでもいいし、ヘタウマでもかまわない。とにかく一度その声を聴いたらまた聴きたくなるようなヴォーカリストが好きなんだよ。”(p186)
という感性に共感したり、
” 僕の目の前にジェイソンがギターを持って座った。そこで僕がそれまでに弾いてきた変態フレーズとかを教えてあげたら、彼はその場ですぐにそれを再生する。演奏自体はまだちょっと粗かったけど、完全に僕と同じように演奏できていたんだよ。”(p83)
この部分、私としては(ex.)Megadeth のリード・ギターリスト Marty Friedmanというよリ Jason Beckerの盟友との捉えの方が強く関心持っていたところで、これらの部分にも読み応えを実感することが出来ました。