週初めの朝、中間記⬇︎をアップロードしていた
小説家 真山仁さんの『ロッキード』を読了。
戦後最大の疑獄事件の闇・・
“「フワフワと現れて、フワフワと消え去った事件でした」”(p11)
という園部逸夫 元最高裁判事のコメントに始まる全567ページ(別途、関連年表 等)に及ぶ大作。
「オヤジが死ぬまで、最高裁が判決を出せなかったのは、公判の無理を、裁判所が感じていたからだろう。檜山の請託の事実にしても、現金授受にしても、問題が多すぎる。それでも、オヤジは、無罪にならなかった」(p244)
というかつて側近として仕えた石井一 元自治大臣の振り返りに、
“「田中さんは有罪にならなければならないという世論の強い意志をひしひしと感じていて、裁判所内に検察の捜査を疑うような空気は生まれなかった」”(p529)
という園部逸夫 元最高裁判事の述懐に、
(中間記後に読み進めた)中、後半では資料や証言を踏まえ当時の状況から考えられる新たな見立てなどが行われており、
本書の読みどころとなっていますが、全編を通じて無念を晴らせなかったであろう田中角栄元首相への思いが増幅する読後感となりました。
真相は闇へ・・
本書の執筆が進められる中でも、真相に近づく手がかりを知るであろう関係者が次々と鬼籍に入ることとなってしまい、
存命中、田中角栄さんご自身の
“「俺が普通の者ならまだいい。しかし、日本国の総理大臣が外国の企業から金を受け取っていたとなれば、これは国の恥だ。後世まで歴史を汚すことになる。
だから、何としても冤罪は晴らさなければいけない。日本国総理大臣の尊厳のためにも、俺は戦わなければならないんだ」”(p234)
との思いが成就=真相解明される日の訪れはもはや絶望的ですが、幼少の頃「田中角栄(元首相)が悪いことして捕まった」程度の認識であった戦後最大の疑獄事件を巡る現代の推理、
大いに好奇心刺激された4日に及んだ読書で、厚みに見合う読後感を得られました〜