” たまたま今、「雑談ブーム」などというコトバが頻繁に聞かれるようになり、それが実際どんなものかはわからないながら、私たちこそ十年以上も前にラジオで「ザツダン!」(命名いとう)という番組(文化放送2016年1月〜2017年5月)を持ち、それが好評のうちに終わってからも、各地でトークショーを続け、すでに書いた通り「とにかく二人でいると延々と時間の許す限りしゃべってしまう」コンビであり続けています。”(p7)
というお二人の「みうらじゅん x いとうせいこう 自主ラジオご歓談!」で配信された内容のごく一部がまとめられた『みうらじゅん x いとうせいこう ラジオご歓談!爆笑傑作選』を読了.-
サイン本入荷情報に反応して手繰り寄せた本書に掲載されている内容は・・
” みうら (省略)たまに中野のブロードウェイのフィギュアショップを見回りに行くとさ、そんなつもりもないのに気づいたらショーウィンドウのガラスのとこに鼻がついてさ。
いとう (笑)。”(p72)
といった日常から変幻自在、予測不能に転がりゆく話しに、
” いとう 特撮世界では怪獣や宇宙人が頻繁に現れるのに、子供が『人が消えた!』『空が割れた!』と、近くにいる警察官に報告すると『そんなことあるわけないよ。夢を見たんだよ』で、なぜ済ますのでしょうか、と。
隊員でさえも『そんな馬鹿な!』と怒鳴っていることがありました。不思議です」と。どうなっているんだ、と。だって、毎週起こってるじゃないかってことでしょ。確かにそうなんだよ。
みうら それはね、特撮世界の掟っていうかな、そういうのがあって、毎回、仕切り直しているっていうことなんですね。”(p113)
とリスナーか寄せられた質問きっかけで納得させられたり、考えさせられたり ^〜^;A 大多数の人たちにとってど〜でも良いこと、他愛もないこと、考えたこともないことについて、二人だからこその応酬が繰り広げられています ^^
そんな中、
” みうら (省略)カーテンの隙間から差し込んだ光が助けてくれたんだよね。
いとう 自分から気づいたんだね。
みうら やっぱりそういう覚醒って人に教えてもらってもわからないんだよ。自分が体験してピッとこなければね。”(p203)
に、
” いとう 要するに、人は自分で自分を判断しちゃいけないってことだね。
みうら そうだと思うよ。
いとう 一切の判断を人に任す、人を中心にして考えるというか。
みうら それが前から言ってる自分なくしっていうやつでさ。他人のことのほうがわかりやすいんだよね。”(p326)
といったお二人の個人史に基づいたものの捉えに、価値観といった内容にも話しが派生していて興味深かったです。
最後、みうらじゅんさんによる「一応、あとがき」を含め全333ページ。相当に好きでないと読み切れるであろうと感じられたボリューム感ですが、ハマれば浅からぬその世界に惹き込まれて行くであろうという雑談集でありました 〜