夜時間が取れそうだと、以前、紀伊國屋書店に立ち寄った際に告知を見て気になっていた
三菱UFJモルガンスタンレー証券チーフエコノミスト、内閣府大臣官房審議官などのご経歴を持つ 水野和夫さんの
『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』刊行記念 講演会に急遽参加。*講演会は斎藤哲也さんとのトークショー形式で実施
グローバリゼーションの綻びから起こった必然
どなたかは失念しましたが、水野和夫さんの評論に注目されているようなコメントをされておられ、それが頭に残っていて、予備知識なしで臨んだ講演でしたが、
イギリスのEU離脱もトランプ現象も、グローバリゼーションの綻びで起こるべくして起こったもの(世界のお金が集まっていた中心、シティとウォール街から綻びが出た)だというお話しに始まり、
もはやサハラ砂漠の南側を除く世界が一つとなった現在、(一国の)国民国家サイズだけではどうにもならない。
アメリカは広大な国土があって3億人程度の人口がいて、トランプ大統領が標榜するアメリカファースト路線が機能するかもしれないが、
イギリスは今後、アメリカと一体化していく経過を辿るであろうとの見通し。
イギリスとアメリカが世界秩序を守ってくれる時代は終わり、地域秩序だけに責任を持つ時代になった。
1時間の講演の中で、他で耳にしたことがない切り口からの現状認識、見通しが新鮮に頭に響いてきました。
そして日本・・
講演後、20分程度設けられた質疑応答では日本の財政破綻に話題が及び、経常黒字とプライマリーバランスをポイントに上げられ、
過半が海外であったギリシャと異なり、日本の借金の債務者の約9割が日本人であることに言及し、
政府に対する出資金がやがて日本国民に(社会保障などで)還元されるとの考えに成り立ち、
前夜の村上世彰さんの見通し↑よりは前向きな予測が示されました。
以上、前提理解の問題からお話が正確に消化出来ていない部分もあるかもしれませんが、
後日、対象書籍を読み、水野和夫さんの理解を深めたく思います。