世界屈指のバトミントンプレーヤー 桃田賢斗選手 初の自伝『自分を変える力』読了。
サイン本発売を待ち構えていたところ
SNSで情報をゲットし、
即反応して入手していた一冊。
光と影の落差大きいキャリア
バトミントンに、桃田賢斗選手にフォローしていない私でも、桃田賢斗選手に
” 2016年の春、世界ランキング2位となった直後、不祥事で無期限の試合出場停止処分となり、リオデジャネイロオリンピックを断念。
その1年後の6月に復帰。2018年には世界選手権を制し、初めて世界ランキング1位にもなった。
そして2020年、交通事故で右眼窩底骨折となり、一時は引退まで考えたが、手術ののちに復活した。”(p186)
と、1994年9月生まれでいまだ26歳ながら、いろいろあったことは承知していて
競技の卓越性と落とした影に興味あったところですが、本書では
” ぼくが最初にギャンブルを経験したのは、その年の世界選手権で行ったデンマーク・コペンハーゲンでのことだった。
初めて合法カジノ店に入り、勝負のスリルを感じて、その魅力にはまってしまった。感覚がおかしくなっていたのだと思う。
非合法であるはずの国内の店に行くことにも抵抗がなくなっていた。”(p079)
と、闇の部分はスルーに近い形で処理される書籍も多い中、しっかり書き込まれていて、
ギャンブルを止めてから1年半後に事態が発覚し処分を受け、香川の実家で家族のサポートを受ける形で復帰の礎を築き、
再び軌道に乗り(延期前の)東京オリンピックがいよいよという段階に差し掛かり、再び
” ぼくたちが乗っていたワゴン車は、高速道路で前を走っていた大型トラックに衝突したようだった。
車の前方はぐちゃぐちゃに大破し、ドアも曲がってしまっていたため、横のドアからは出られない。
後部座席に座っていたぼくたちは、後方のトランク部分のドアから車の外に出た。”(p166)
と、これも日本に衝撃が走ったマレーシアでの自動車事故に遭いながらも
“「毎日の積み重ねが一瞬の奇跡を呼ぶ」
元メジャーリーガー、イチローさんの言葉だ。出場停止処分を受けて、ひたすら練習する日々のなかで、この言葉が、ぼくをとても勇気づけてくれた。
変わるため、何かを成し遂げるためには、一日一日ひたすら地道に努力を積み重ねるしかない。それを信じて、ぼくはただ実行した。
桃田は言葉だけで、本当は変わってないんじゃないか、という声が聞こえてくることもあった。
でも、ぼくは自信を持って言える。
変わった、と ー。”(p201-202)
と逆境、試練を乗り越えた軌跡が綴られています。
桃田賢斗選手の軌跡と気概
当面、闇カジノへの出入りで自ら道を閉ざしてしまったリオデジャネイロ五輪の雪辱を
” いま現時点で、金メダルを獲れる自信は、50パーセント”(p193)
と踏む開催迫った「東京オリンピックで!」という頃合いですが、
” バトミントンは、サッカーや野球に比べたらまだまだマイナーな競技だ。
もっと間口を広げるためにも、ぼくが活躍して、子どもたちが憧れるような選手になりたいと思っている。”(p157-158)
と、確かに桃田賢斗選手の活躍で認知度が飛躍的に高まったバトミントンへの思いなど、
これまで漠然としていた桃田賢斗選手のイメージが、本人の言葉で確たる実像として浮かび上がることになった一冊でした〜