アメリカ連邦議会・上院予算委員会スタッフ(米連邦公務員)などのご経歴を持ち、
現在は早稲田大学教授として教鞭を取られている中林美恵子さん(呼称は、ご本人のご希望:先生→さん )登壇の
「トランプのアメリカはどこに向かうか 視界ゼロのアメリカ政治の先を読む」と題されたトークイベントに参加。
中林美恵子さんの著書『トランプ大統領とアメリカ議会』の刊行記念として行われたもので
昨年「(テーマがあって)本を書きたい」との要望が、中林美恵子さんの方からあったものの
年明けからTV出演が相次いで、ようやく6月になって出版に漕ぎ着けたそうですが、
私が中林美恵子さんのことを知るようになったのは、その頃のTV出演を通じて。
アメリカ政治のイロハから最新情勢まで
トークショーは、一般的にアメリカ大統領というと、何でも出来る巨大な権力を持っているように思われがちだが、
実は議会との協調がなければ逆に何も出来ない存在であるというアメリカ政治の「いろは」の「い」の部分に始まり、
Donald J. Trump:ドナルド・トランプ大統領就任後、半年が経過しているのに、政治指名職の大半が決まっていない(=政策を進めていく体制が整っていない)という異常事態に、
最近になってドナルド・トランプ大統領の支持基盤である共和党の支持者からの支持率が80%を割り(民主党は10%未満)、
選挙中の公約が一切実現していない状況下、早くも正念場を迎えているといったお話しが、
データであったり、中林美恵子さんの渡米中のご人脈によってもたらされた情報を踏まえ、アメリカ政治の現状をとても分かりやすく説明(トーク)頂きました。
専門性 x お人柄で、心地良い学びの機会
アメリカの話題はニュース番組でも日常的に取り上げられ、見慣れていることですが、
議会の仕組みや冒頭の大統領の権限など、ニュースを深読み出来るような前提知識はなく、
これまで概ね報じられた通りに受け止めていましたが、
実は日本と異なり単純過半数で議案が通らない現実(少数意見も法案に盛り込む)に、
チェック&バランスが重視、機能している様子が、先ず以って印象に残ったトークイベントでした。
中林美恵子さんは、その分かりやすい説明、解説が、TVご出演時よりも印象的でしたが、
一つ一つのトピックに饒舌(ご本人曰く、おしゃべり ^^)、また参加者からの質問に積極的に向き合い、サービス精神も旺盛で
当初の予定時間は90分であったようですが、MCの方が打ち切りを宣言され、閉幕を迎えるといった力の入りようでした。
トーク終了後のサイン会でも、写真撮影希望者には都度席を立って応じられるなど、
稀有なキャリア(日本人でありながらアメリカ公務員)とともに、お人柄もとても印象に残り、
また一般向けで同様の催しが開催された際は、是非また学んでみたいと思いました。