先週、アメリカ連邦議会・上院予算委員会委員会(米連邦公務員)などのご経歴を持ち、
現在は早稲田大学教授や報道番組のコメンテーターなどとしてご活躍の中林美恵子さんの著書『トランプ大統領とアメリカ議会』を読了.-
(第2章終了時、)中間記↓
をアップロードした後の第3章からは、
第3章 トランプ大統領と議会の攻防
第4章 トランプ大統領と人事と政策
エピローグ ロシアゲート疑惑の行方
という章立てで、
” 内閣提出法案は、日本ではむしろ主流である。それに対して、アメリカで法案を議会へ提出する権限があるのは、連邦議会議員だけである。
アメリカ合衆国憲法第1条第1節は「本憲法に付与されたすべての立法権は、上院と下院で構成するアメリカ合衆国連邦議会に与える」と明記している。
と同時に、政権つまり行政府について規定した第2条には、大統領が行政府を代表して法案を提出できる旨の記述がまったくない。
したがって、アメリカで法案を提出できるのは上下両院の議員だけとなる。
これが日本の議員内閣制とアメリカの大統領制の決定的な違いである。”(p117)
という(日本と比べた)制度的な特徴や
” 連邦議会では、マナーが著しく悪い議員に対して問責決議が行われる場合があり、これは特別に不名誉なこととされている。問責されたら再選は不可能であるとさえいわれる。
こうしたリスクを冒してまでヤジを飛ばしたりスキャンダルの追求をしたりしなくても、議員には法案作成や修正、廃案という、もっと達成感のあるエネルギー発散方法が数限りなくある。”(p135-136)
(日本との)運営上の差異であったり、実態などについて言及されています。
前半の総論を受けて各論に入っていく印象で、(有力)議員個人名を散見され、
前回(中間記)は「アメリカ政治のいろは」、入門書といった紹介の仕方をしましたが、
その範疇に入っていても、読解のレベルは上がっているように感じました。
トランプ大統領をケーススタディとして
本書が書き上げられたタイミングは、ドナルド・トランプ大統領就任後100日というのが、一つラインとして引かれており、
後半部で(エピローグを含め)今後の課題などが指摘されていますが、
また節目で続編に触れ、ドナルド・トランプ政権を通じて、アメリカ議会や政治のフレームについて理解を深めることが出来ればと思います。