週中(5/8)現役時代、川崎フロンターレ及び日本代表でサッカー界を牽引された中村憲剛さんの『中村憲剛の「こころ」の話』を読了。
本書は、先月オンラインで ↓
概要について触れていましたが、川崎フロンターレの内科チームドクターとして出会った(本書監修者)木村謙介さんからの
” エリート街道を突き進み、何かを成し遂げた人が、自分の人生観や「こころ」の持ちようについてつづった書籍は、自分自身も目にする機会があった。
一方の自分は、学生時代は全く日の当たる場所を歩くことのなかった、いわば非エリートだ。先生は、そんな非エリートである自分が、挫折を乗り越え、自分自身と向き合い、「こころ」を鍛え、育てていったことで、日本代表にまで駆け上がり、 J1リーグという日本最高峰のプロサッカーリーグで優勝を達成し、40歳まで選手生活を続けたことは多くの人の参考になり、希望になると言ってくれた。”(p3-4)
という助言に、
” 僕自身が向き合ってきた日常や「こころ」の変遷、「こころ」の在り方は、多くの人が楽しく、そしてよりよく生きるための参考になるのではないか、と。”(p4)
との考えに達し上梓に至った著書。
第1章 心って、何だろう?
第2章 信頼を得るための処方箋
第3章 コミュニケーションの処方箋
第4章 生きる知恵と考える力の処方箋
第5章 挫折・失敗から学ぶための処方箋
第6章 人生の質を高める心の処方箋
と章立てられ、
” 心が揺れるから面白く、心が揺さぶられるから楽しく、そして心が揺れ動くから驚き、感動もする。”(p16)
なる前提に、
“自分で自分の心をクリアにする。ミスと向き合い、清算して、解決することで浄化され、成長して行く。これも対話の一種だろう。”(p190)
や
” コンプレックスをコンプレックスとして終わらせるのではなく、プラスに変える。コンプレックスをどうやって自分の強みに変えることができるか。”(p197)
といった心を育んでいく上で乗り越えてきた節目が、トップレベルに上り詰めていくサッカー競技人生と交差する形で紐解かれ、
” 自分自身がそうだったように、心は変わるし、心は育つし、心は鍛えられる。”(p230)
” 心が育ち、鍛えられていったことで、僕は自分自身を見せる、さらけ出すことができるようになった。”(p231)
” 心は司るもの、心は宿るものであると同時に、心は開くものであると思う。”(p231)
といった結論に導かれていきます。
心の揺れ、そしてそこから
私自身の読みどころとしては、中村憲剛さんにフラグ立つきっかけとなった
” 心が揺れ動いた、心が折れそうになった出来事としては、2014年のブラジルワールドカップを戦う日本代表メンバーから落選したときのことを思い出す。”(p29)
という2014 FIFAワールドカップでのメンバー選考漏れも、
” しばらく記憶はおぼろげで、たしかバスの後方ではメンバーに選ばれた嘉人を祝福するチームメイトの声が響いていたように思う。”(p30-31)
といった具合で分量が割かれていて、最も向き合わされた箇所となりました。
サッカーへの理解度が高いほど書かれてあることへの刺さりは鋭くなると思いますが、項目ごとに木村謙介さんが
” 世の中には、一方的に自分の主張を押し通そうとする人もいます。客観的に見て、明らかに正しい主張であればそれでもいいのですが、相手の立場を無視して行うのなら、それは自己顕示欲の現れです。話す側にとっても、聴く側にとっても、相手に対する共感力、理解力、思いやる心もまたコミュニケーション能力なのです。”(p112)
といった感じで医学博士の立場から1ページで簡潔に要点を整理されており日常に役立てるヒント点在した内容であると思います。