『世界で活躍する脳科学者が教える!世界で通用する人がいつもやっていること』に
書かれてあったことで、印象的であった箇所を抜粋。
譲るべきこと、譲らざるべきこと
” Kさんは、一見とても人の良さそうな、親しみの持てる雰囲気を持っています。
なので、「この人が、海千山千のビジネスマンが闊歩するアメリカやヨーロッパで、どうやって、自社の技術を売り込んできたのだろう?」と考えると、何とも不思議な感じがしてしまいます。
・・中略・・
Kさんはなぜ、カモにされることなく、相手にとっても自分にとっても良い関係を築き、事業を大きく発展させることができたのでしょうか?
実は、Kさんはとても物腰が柔らかで、いつも笑顔を絶やさない一方で、主張をぜったいに曲げることがなかったのです。
Kさんは、相手の話をよく聞いていく人あるのはもちろんなのですが、ずっとお話ししていると、いつの間にかKさんのペースに巻き込まれていくのです。
そうすると、話をしているうちにKさんの考え方や方針が、何となく正しい気分になってしまうわけです。
・・中略・・
Kさんのように、いかにも日本人っぽく、周囲を気遣うといった「和」を重んじながらも、譲らない。あわよくば、相手を巻き込んでしまう。
こんな方法であれば、相手のプライドを傷つけることはなく、自分のやりたいことも良い形で貫けるのです。
また、相手を尊重しているという姿勢は崩さないので、友好的な関係を長く保ち続けることができ、互いにメリットが大きいのですう。実に賢いやり方ではないでしょうか。”(位置 No.245-261)
本書では解決策も示されていて、
” 「そう言われても、うまくできなさそう・・・」という人もいるかもしれません。 ・・中略・・ でも、解決策はあります。
その一つが、アサーション・トレーニング。自分の意見を冷静に伝え、かつ相手側の立場をも考慮したコミュニケーションを体得するための、心理学を使った方法です。”(位置 No.261-269)
詳細は本書に譲りますが、ポイントは ↓
” 「アサーティブ」にあたる態度とは、どんなものなのでしょうか?
これは、「私にそのようなことをした覚えがないのですけど、あなたからはそのように思われているので、とっても悲しいです」などと言うことで、
相手を責めもしなければ、自分を卑下にすることもないことを指します。つまり、自分の素直な気持ちを伝えるのです。
「『あなた』がそんなことを思うなんて」とか「『あなた』はどうしてそんなふうに思うのですか」などの言い方をせず、
「『私』はそんなふうに思われて悲しい」というように、あくまで『私』を主語にする言い方に徹するのが秘訣です。”(位置 No.276)
クエンティン・タランティーノの周囲を巻き込んでいく熱意
ペースに巻き込んでいくエピソードでは、映画『キル・ビル』製作時のクエンティン・タランティーノ監督のエピソードも印象的で
” 彼の代表作の一つが『キル・ビル』。この作品のvol.1に挿入されているアニメ部分は、日本のアニメ制作会社であるプロダクションI.G.が担当しています。
・・中略・・
実は、『キル・ビル』のオファーが最初にあったとき、プロダクションI.G.としてはお断りしたそうです。
・・中略・・
そのとき、タランティーノ監督は、「わかった、では仕方がない・・・」と言って、あっさり引き下がったそうです。
しかしその直後、アメリカから、大量のFAXが。
これは、タランティーノ監督の嫌がらせ・・・ではなく、「何としてもいい映画を作り上げたい!」という、彼の情熱によるものでした。”( 位置No.300-308)
この後の展開は本書に記されていますが、ポイントは ↓
” タランティーノ監督のようなすごい人の真似はできないと、皆さんは思われるかもしれません。
でも、少しずつでもいいから、「自分が心から面白いと思うことを見つけ、それを人にも面白く伝えること」を心がけてみてください。
これに対して、スルーしたりバカにしたりする人も当然いるでしょう。でも別に損をするほどのことではないと思います。
ちょっと変な奴と言われて、軽く笑われるくらいで済むのではないでしょうか?
その一方で、あなたのことを「面白い」と思って、あなたのペースに巻き込まれてくれる人が出てくるはずです。
面白いと思ってもらえたら、その人はあなたの味方。一緒になって面白いことを思う存分やってくれるでしょう。
一つでも面白いことが成し遂げられたら、あなたにも、あなたの味方にも、大きなプラスの結果が必ず待っていますよ。”(位置 No.324-333)
脳を味方につける方法を分かりやすく
中野信子さんの本は、昨年7月↓以来でしたが、
難しそうなことでも、実例などを用いて分かりやすく書かれており、
読み手の背中をそっと押してくれるような内容が、読んでて心地良いです。
あとは少しづつでも日々の実践ですね〜