猫組長こと評論家 菅原潮さんの『反逆せよ! 愛国者たち』を読了。先ごろ(2024年10月)実施された衆議院議員選挙期間中、
猫組長が支援されている日本保守党候補者の応援に帯同されることを知り、最新刊(2024年8月1日 第1刷発行)の本書を買い求め、サインを頂いていた経緯。
本書は、
” ところが岸田政権は少子化対策に大量の予算を投下する一方で、 LBGT政策に大量の予算を投下する。真逆の政策を同時に成立させようとしている時点で、合理的かつ理性的であることを自身に課している私には、狂っているとしか見えない。
・・中略・・
本書を出す意義は政治に対する問題意識を超えた憤りが原点だ。だからといって立憲・共産党に任せたくない。だが宏池会・自民にも政権を任せることはできない。”(p6)
と移民政策、LGBT推進等の動きから危機を新たにし警鐘を鳴らす内容。
論は、
第1章 ー LGBT推進で見放された自民党
第2章 ー 移民で国民が大損する理由
第3章 ー 日本保守党が大善戦した東京15区
第4章 ー 日本の裏伝統・「暴力と政治」の近現代史
第5章 ー 日本周辺はすでに戦時である
第6章 ー 日本保守党が安倍なき日本を守り抜く
の章立てに沿い進められています。読み進め刺さってきた箇所は
” 自民党は英語で自らを「Liberal Democratic Party」と名乗っている。すなわち「リベラル政党」ということだ。ゆえに岸田政権の政策は自民党伝統のものということになる。”(p80)
一見、自民党=保守のイメージを想起しがちなところ英語表記から違和感を抱いてしまう現実に、
” 暴力と政治の連動の土台は「思想」ではなく「経済」である。
国粋会の親分衆はただの博徒ではなく、多くが正業を持っていた。その正業のほとんどが土木・建築業である。富国強兵によって港などのインフラが急速に整備されたが、その時、工事に参入したのが博徒系土木業者だ。当時の博徒出身土木業者の一部は、国際社会でも極めて評価の高い技術を持つゼネコン業者となって今日まで続いている。
「富国強兵」政策におけるインフラ整備の中で「土木事業」を通じて「政・暴」の関係が構築されていったということだ。まさに今日の地方行政に繋がる「政・暴」構造だが、その理解を進めるために「ヤクザ側の歴史」についても整理しておきたい。”(p128)
と
” バブルの波に乗って順調に稼ぐも、バブル崩壊で大きな借金を抱える。このとき、債権者の1人であった山口組系組長を頼ったことでヤクザ人生が始まり、インサイダー取引などを経験。”(PROFILE)
なるご経歴を持つ猫組長だからこその裏社会からの考察を踏まえ、現実が捕まえられている点。
危機、そして展望
結びは、安倍晋三元首相亡き後の(既述の)衆議院議員選挙で結党1年ながら国政政党になった日本保守党へ寄せられた期待。
従来持ち合わせていなかった視点に、承知していた事柄でも新たな斬り口を示される等、扱われているテーマは重く、喫緊で考えさせられながらの読書となりました。