ラグビーニュージーランド代表All Blacksのキャプテンとして、ワールドカップ2011年及び2015年大会の連覇にキャプテンの立場で牽引したRichie McCaw:リッチー・マコウの
『突破!リッチー・マコウ自伝』を読了。
本の日本語版は2016年3月発売ながら、内容は主に大本命の立場で挑んだワールドカップ2007年大会の準々決勝でフランス代表に苦杯を舐めた屈辱から
自国(ニュージーランド)開催となった2011年大会の決勝でフランス代表に雪辱を遂げるまで。
RWC 2011 Archive: Bew Zealand beat France in final !
頂上決戦やるかやられるかの極限の攻防
約400ページに及ぶ厚さのかなりの割合が、ゲームの回想シーンに割かれています。
選手名とポジションが頭に入っていないと情景を描きづらく、苦戦したところでもありますが、
本がクライマックス(終盤)に近づくに従って、リッチー・マコウの苦悩が読者に迫ってくるようで、
特に2011年大会のワールドカップ決勝に至る直前には、大黒柱のDan Carter:ダン・カーターの離脱に
(リッチー・マコウ)自身に満身創痍の状態(決勝戦の後日、レントゲンを撮れば中足骨が3本折れていたことが判明/p388)で、
ペナルティを与えた時点で逆転の窮地に陥るフランス代表の猛攻を凌ぐシーンの心の描写など、
本書でしか得られないであろう醍醐味があって、ラグビーファンにとっては読み応えある内容であると思います。
「世界最強」を率いた伝説の足跡
リッチー・マコウの現役選手としてのキャリアは、2015年のワールドカップ大会で幕を閉じることとなったので
増補版なり、続編があれば、本書から更に資料的価値の高い一冊になるでしょう。
同じく今年(2016年)出版されたダン・カーター自伝 ↙︎と比較すると、
読みづらさは感じるものの、
本の最後にあるリッチー・マコウの紹介で、史上最多148のテストマッチ出場(しかも、世界最高峰のオールブラックスで)に、
勝率も実に88%(148戦131勝)を超えるという伝説のラガーマンの生涯に、本人の言葉で迫れる貴重な一冊であることに間違いありません。