西村賢太さんが描く、貫多の悶々として生々しき日常(西村文学デビュー):『蠕動で渉れ、汚泥の川を』読み始め

芥川賞作家 西村賢太さんの『蠕動で渉れ、汚泥の川を』を読み始めて

二六〇ページあるうち、八八ページ(五/一六)まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

一昨年(2016年)7月に本書の刊行記念トークショーに参加して対象書籍として入手していたものが、

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長期、積読本と化していたもの。

” 貫多が中学を卒え、いっぱしのローンウルフ気取りで一人暮しを始めてから早くも一年半が経ったが、しかし名実ともに自活と云い得る状況は、未だ全く迎えてはおらぬ有様だった。”(一二頁)

” 根が余りにも貴族体質にできてるが故に、土台働くと云うことが苦手である、との理由だけではない。

確かに労働することは基本的に厭ったらしくてたまらなかったが、更には同じ働くにしても、根がどこまでも誇り高くできてる彼ば、その人足とか土方とか職工とかの、いわゆる下層階級の労働に就くのが、まったくもって不本意でならなかったのだ。”(二六頁)

という性分の(本書の主人公)貫多が、洋食屋に居場所を見付け?、そこでの人間模様、異性への恋心(性欲?)などが描かれているところまで。

西村賢太さんの世界観

世の中的に退廃的に感じられる(貫多の)日常が、生々しく描写され、そのリアリティは西村賢太さんのバックボーンに紐づいてのことであろうと推量しますが、

六角精児さん、南沢奈央さん等、芸能界でも西村賢太さんの世界観に魅了されている方が多い、西村文学デビューを楽しみたいと思います。


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