阪神タイガース及びオリックス・バファローズで活躍された能見篤史さんの『#みんな大好き 能見さんの美学 ポーカーフェイスの内側すべて明かします』を読了。

サイン本販売情報に即反応して

入手していた著書。

エリートではない環境からタイガースのエースへ

本書は、能見篤史さんが自身の球史を振り返る過程で

” 人生はちょっとしたことで変わる。それが僕の実感です。

会社勤めの人、専業主婦の人、アルバイト生活の人、今は働いていない人、学生さん・・・それぞれの立場で、その人にしか分からない苦悩があると思います。

この本の中に、みなさんのヒントになることが何か一つでもありますように、そう願ってやみません。”（p5）

との思いから上梓されたもので、

細い糸を紡いでいくかの如く進んだ社会人野球の大阪ガス時代、

“「来年ダメなら社業に専念しろ」

いわゆる「最後通告」です。

来年結果を出せなければ野球人生が終わる・・・ そう覚悟しました。覚悟はしましたが、投げやりにはなりませんでした。もうあとがないと慌てることもありませんでした。

「せっかく獲ってもらったのに、何も恩返しできていない」僕が考えたのは、それだけ。”（p65）

と崖っぷちから阪神タイガース入団へ繋がっていった正念場に、

” 09年のシーズン途中に「8割ピッチング」を発見できたことは、本当に大きな転機となりました。そこから僕は勝てるようになり、開幕投手を任せられるまでになったのです。”（p102）

とこれもプロ入り後もなかなか思ったような結果を残せない中、掴んだきっかけに。あるいは、

” 阪神から他球団へ移籍した選手は「楽になった」と口をそろえます。逆に、阪神に来た選手は「しんどい」と。「オレを見てくれ」というタイプの選手にはいいのかもしれないと思っていましたが、あの西岡剛が「タイガースはしんどい」と言っていましたからね。どれだけ大変か想像してもらえると思います。”（p229）

に、

” 逆に、オリックスの選手には打たれ弱さがあります。彼らが阪神に来たらノイローゼになるんじゃないかと思うほど、環境が違います。”（p233）

という阪神タイガースの特殊性から

” そんな中で、僕はいつしか「演じる」ようになりました。素を出すとしんどくなる。それなら「もう一人の自分」をつくっておいたほうが、ずっと気が楽だったからです。”（p230）

という我々ファンが知る能見さんの裏側に・・

と仰られながらも

” 本を手にしてくれた方の表情は見えませんから、言い換えることも訂正することもできない。誤解のないように注意しながら、でも必要以上にオブラートに包んだりせず、僕らしくちょいちょい「毒」も入れながら（笑）、歩んできた道のりや考えをできるだけストレートに記しました。”（p284-285）

と巻末の「おわりに」に記されている通り、散見された毒も読みどころで ^〜^; A

岡田彰布監督再登板で一気に覚醒した感の阪神タイガースの一時代前の頼りなかった危うさ抱えていた時代に、頼みの綱的存在であった能見篤史選手のリアルに触れられる著書でありました〜

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