野村監督こと野村克也さんの
『野球と人生 最後に笑う「努力」の極意』を読了。先月(2019年11月)開催された
刊行記念 トーク&サイン本お渡し会で入手していたもの。
野村イズムの集大成
本書は
” この本は、そんな私が辿ってきた軌跡、考えて実践してきたことの数々を、これまでの著書の中から抜き出し、体系的にまとめ直したものである。
いわば野村イズムの集大成の一冊だ。”(はじめに ー 私が野球から学んだ一番大切なこと)
といった趣旨から出版された著書。
第1章 頭を使った二流は一流に勝てる
第2章 当たり前のことを当たり前にできる人間であれ(真のプロフェッショナル像)
第3章 高く飛びたかったら、深くかがめ(報われる努力論)
第4章 リーダーとは嫌われる勇気(人を伸ばすリーダーシップ論)
第5章 敵は我に在り(人間的成長論)
という章立てのもと、
“「固定観念は悪。先入観は罪」だ。だから「今のポジションがいいと思い込むのではなく、どのポジションが自分の長所を最大限に発揮できるか、もう一度探してみろ」と。
選手自身が気づいていない「潜在能力」を気づかせてやる。戦力として「適材適所」で活用し、的確な指導法で大きく育てるのだ。
そうすれば、これまで以上に大活躍ができるかもしれない。”(p57)
と過去の著書(『私が選ぶ名監督10人』)から引用があり、東京ヤクルト スワローズ時代の飯田哲也元選手を捕手から外野手にコンバートした振り返りがあったり、
” 不器用な人間は何度も失敗を重ねるため、一定のレベルになるまでに時間がかかるが、そのぶん、必然的に努力しなければならないし、失敗のなかから学ぶことも多い。
まさしく「ウサギとカメ」のたとえにあるように、長いスパンで見れば、不器用は器用に勝つのである。”(p97)
とこれも、過去の著書(『そなえ』)からの引用文ですが、地味で単調な基礎づくりの重要性について説かれた箇所で、
書かれていることが野球に限定されず、汎用性のある内容となっている点が、さすが野村監督本ですね。
正しい努力
冒頭、抜粋した「はじめに」の締めに
“「正しい努力」はけっして裏切らない。そのことによって最後に笑えるのは、野球も人生も同じ。
それを読者の皆さんにも感じ取ってもらえたら望外の幸せである。”
とあり、野村監督の人生観が端的に示された一文であるといえると思いますが、
本書の中でさまざま現役生活、監督時代の経験談をもとに野村イズムが紐解かれていく一冊です。