野村監督こと野村克也さんの著書『究極の野村メソッド 番狂わせの起こし方』を読了。
先日参加したトーク&サイン本お渡し会の対象書籍として入手したもの。
まず、タイトルを見て、昨年(2017年)出版された元千葉ロッテマリーンズの里崎智也さんの著書
(『エリートの倒し方』)を思い出し、「(下克上的なこと)今、世の中で求められているトレンドなのかなぁ」と。
番狂わせの起こす人の条件
続々と出版されてくる印象の野村克也さんの著書、(時事ネタ以外)今さら新しいことと云うよりも
テーマによって、野村克也さんのお考えに切り込まれるアングルが異なるとの感覚ですが、本書では
” 才能がない。運がない。エリートではない。そんな人間こそが、番狂わせを起こす。
そんな番狂わせの起こし方を、私なりに「26の法則」にまとめたのが本書だ。
他にはなかなかいない存在として、長くしぶとく生きるための術を、感じ取ってもらえれば幸いだ。”(p6)
との「はじめに ー 私はいつも「敗者」からのスタート だった」での本書についての紹介のもと
” 法則09 ポジティブ思考に逃げない > 自分の弱みこそ最大の武器
私はあきらめることは、ある意味でとても大事なことだと思っている。あきらめる、ということは、「いままでのままではうまくいかない」ことに気づけたことでもあるからだ。それは幸運だ。
コンプレックスや劣等感があればこそ、ある種の自分をあきらめ、自分を変えて、努力を積み重ねられる。
・・中略・・
上を目指したいなら、自分が何が苦手で、何に劣等感を抱いているか ー そこから目をそらさずに鍛え上げるか、あるいは他で補うかの「策」を練る必要がある。
自分の弱みに対する「策」を練る。それがコンプレックスを武器にするための正しい付き合い方だと、私は思う。”(p76、79)
” 法則17 運には引き寄せ方がある > 幸運・不運を分ける正体
その運は、すべて「準備を怠らなかった」から引き寄せられたとも思っている。
いつかチャンスが来るから、と信じて練習を続ける。準備さえできていれば、突然、目の前に現れるチャンスを逃さずにつかめる。
努力なき者はこれができない。それこそが運の正体だろう。「私は運が悪い」と運のせいにして逃げるのは簡単だ。
しかし、不運には必ず原因があることを覚えておいたほうがいい。
「常に備えよ」というのはそういうことだ。”(p129)
といった法則が、それぞれ(26)5ページ程度にまとめられています。
野球界のレジェンド 野村克也を実現した思考法
本書は『BIG tomorrrow』の連載「野村克也の『サラリーマン再生道場』」に加筆・修正し、構成されたもの。
何より重みを感じるのは、日本プロ野球界(NPB)で、選手として監督として
特筆すべき記録を残された方の言葉、考え方であること。知恵を絞って試行錯誤を経ながらも、努力を積み重ね、
現在の立場を築かれた野村克也さんの頭の中をのぞき見ることの出来る一冊です。