荻原浩さんが描いた、急遽、農家を継ぐことになった男の葛藤と見出された悦び:『ストロベリーライフ』読了

直木賞受賞後、初の長編作品として注目の荻原浩さんの『ストロベリーライフ』を読了.-

出版されていること承知していたものの、元来、ノンフィクション好きで、

また、タイトル、帯から想像された設定に決め手を欠き、購入を逡巡していたものの

先日参加したサイン会 ↓ の対象書籍という巡り合わせから入手した次第。

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<< 2016年10月26日投稿:画像は記事にリンク >> 直木賞作家 荻原浩さんの新刊『ストロベリーライフ』刊行記念サイン会で過ごした、ちょっと嬉しい展開

急展開で継いでみることになった農業

実家で農家を営んでおられた主人公のお父様が病に倒れたことから、

もともと継ぐ気のなかった農業に触れ、新たな人生の局面を切り拓いていくというのが、大づかみの話し。

そこに奥方と子供、両親、四人兄弟で三人の姉及びその家族との思惑が絡み合いながら話しが進行されていきます。

都内でグラフィックデザイナーとして独立、生計を立てていた/節目を迎えていた状況から

突如として農業体験に入り込んでいく道のりは平坦ではありませんが、周囲とのすれ違いに、支えに、

また、同級生との再会であったり、ほろ苦いシーンでも、終始、話しはほのぼのとした雰囲気で描かれ、

おそらく描かれているであろう主人公の人生の段階も自分と近かろうと、共感できるシーンが点在し、幾つかは余韻を引きづる印象を持ちました。

その中で特に、悪戦苦闘しながら育てた苺が、台風に見舞われてしまうか?というシーンがあり、

そこでの心理描写が巧みで、私個人のハイライトでもありましたが、やはり直木賞獲る力量の方だけに、その文章力の非凡さ、片鱗を見せてつけられたような。

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前向きで、ほのぼのさせられる等身大の日常

冒頭に書いた通り、サイン会参加を思い立って巡り合うことになった一冊で、「こういうのも縁だなー」と興味深く感じ、

当初、懸念していた設定に対する違和感も、本を読み進めているうち、程なく解消されました。

本書を開いてから読了までの三日程度、

約350ページに及び繰り広げられた文字から浮かび上がる描かれた世界への臨場感、爽やかさを抱く心地よいものでした。

 


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