大森健巳さんに学ぶ、とてつもない成果を生み出す、相手から何も奪わないバリュー・モア交渉術

ハイパープレゼンター大森健巳さんが少人数(無料)ワークショップを開催されるとの事で参加してきました。

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開催数日前の告知、10数名程度での急遽開催

内容はビジネスコミュニケーションに関するもので、大森さんが学ばれたキッカケは、『ボジショニング戦略』著者のアル・ライズが、

「つながりの時代」と掲げた中で・・

” コミュニケーションさえ上手くいけば、すべてが上手くいく。

幸せになりたかったら、相応しい時に、相応しい相手に、相応しい事を伝えるしかない。”

との一文(抜粋)に触れての事。

従来、交渉について、喧嘩腰で挑むなどして相手を打ち負かすなどのイメージがあり、負荷の大きい事に感じていたものの

交渉について学んでいくうちに考えを改めるに至った。

学びの師としたのはビジネスクール権威のウォートン・スクールで人気No.1、交渉術権威のスチュアート・ダイアモンド教授。

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スチュアート・ダイアモンド教授。下:著書

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交渉でフォーカスあてるべきは、人

既存の交渉はフォーカスを「事柄」に当てるものであったが、新たのは「人柄」にあてる。重要度を割り振ると・・

8%   ー 事柄(環境、時間、金銭)

37%ー プロセス(構造上、スキル上)

55%ー 人、感情(ニーズ、アイデンティティ)

人、感情が過半を占める。

例えば交渉を進めていると、相手が面子を気にしている事がよくあるのは、このような事。

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相手から何も奪わない交渉で得られる、とてつもない成果

1. 旧来型:ハーバード流交渉システム

既存の交渉のフレームワークに、ハーバード流交渉システムがあり、

最高条件と最低条件を設定し、その間で交渉を進めたり、最低を下回った場合は代替案を模索したりするもの。

昨今、耳にするWin-Win(ウィン-ウィン)と呼ばれるものも、上記に沿ったもので1970年代の概念となる。

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2. 新しい交渉スタイル:バリュー・モア

新たな交渉の土台は、相手から何も「奪わない」、そして感情のお見舞いをする事。

各自の交渉スタイルには、成果を重視する競争型、人間関係を重視する受容型などがあり、

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交渉には、人によって傾向が出る。

新たな交渉では、成果も人間関係も両立させ、相手のために役立つ姿勢がポイントとなる。

ここで交渉に臨むにあたって自問するべき3つの質問があり、

1.  自分の目標は何だろう?

2. 相手は、どんな人だろう?

3. 相手を説得するためには何が必要だろう?

これがポイントとなる。

同じ交渉、同じ状況は二つとして存在せず、人物、状況、目標など、遭遇している場面を瞬時に理解する事が、大事。

「奪わない」ことを第1ルールに、Win-Winを模索する綱引きをやめる。

相手、解決策を持っているのは、あくまでも人間であり、条件ではなく、感情的なプロセスで交渉は進む(相手は動く)。

その人は、どういう人間なのか、プロセスをみて、人をみていく。

Googleで好例が有り、6億円の予算を組んで発注していた工事が進めてみたら倍額となる事態に、、。

そこでGoogleの担当者が業者側に「何か、私があなたのお役に立てる事はありませんか?」と魔法の質問をしたところ

Google発注の工事を引き受けた業者である旨の正式文書の発行をしてくれれば

工事代金を60万円まで減額しても良いとの回答があり、実際それが実現したそうな。

まず、相手のニーズを確認する事で、自分には気付かない資産を持っている事が多い。分からなければ、聞く。

人と何かを交換する手段は金銭に限定されず、自分の希望に対して10回に1回でも相手が動いてきたら、交渉としては上出来。

受講者の体験談として、交渉事を一旦、紙に書き出す事は目標、目的を持った意図が明確になるので、大事。

心構えとして、自分の頭の中と相手の頭の中が違うという事を意識する。

論破することも相手を叩き潰すことなく、ありのままの相手を受け容れようとする姿勢が肝要。

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交渉の枠組みを組み直す

大森さんから、同じ内容のものを昨秋ウェビナーで受講していたものの

>> 大森健巳さんがナビゲートするGoogleが社員教育で使う交渉術 <<

内容はすっかり忘れさられており(苦笑)・・

ワークショップ中の自分の交渉の概念が、最高と最低 >> 最低を下回れば代替案に動くといった旧来型である事に気付かされ、

相手から何も奪わず、感情をお見舞いする姿勢、とても勉強になりました。

希望の出し方も本心を偽ることなく、ありのままで臨む事。

また、全ての交渉機会で望む結果を得ようとせず、10回に1回で十分との姿勢も、心を穏やかにしてくれるものでした。

 


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