プロレスラー 大仁田厚選手の『人生に必要なことは、電流爆破が教えてくれた』を読了。
大仁田厚選手しか掲げられないタイトルですが ^^
サイン本販売情報↑に反応して入手していた経緯.-
大仁田厚選手に関して、本書にも出てくることですが、大仁田厚選手が(実態をよく分かっていなかった状態で)UWFに殴り込みをかけた際、
“「これはすごいな」と思って、で、そこのリングでプロレスとは全然違うものを見たんだよ。
俺らがやっていたのとは全然違うものを、それを見たときに「プロレスって、こういうのもアリなんだ!」って気づかされた。
その衝撃があって、FMWという対極なものが生まれたんだと思うね。”(p43)
と、私自身が引き込まれたUWFとは志向していた方向性が対極的な立ち位置であったことから距離を置いていました。
プロレスを奪われ、立たされた岐路
その状況から本書を手に取ってみたら・・
実質、全日本プロレスの新弟子第一号としてプロレス界に飛び込み、ジャイアント馬場さん夫妻に養子が検討されるほど可愛がられ、
NWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座を戴冠するなど、順調なキャリアを歩むも、
” リングから飛び降りたら、着地したときに足を滑らせちゃって、左膝を床に打ち付けたらバキッと音がしてね、”(p28)
と試合中に早期引退に追い込まれる重傷を負ってしまい、
” 地道に、自分で人生を一からやり直したんだ。電話会社の代理店やクラブの従業員とか、不動産業とか、まぁ、いろいろやった。”(p33)
と、リングを降りてから職を転々とする羽目に・・。
しかし、中卒でプロレス界に進んだという経歴に、プロレスしか知らなかったという現実から門を叩いた先々で花開くことなく、次第に強まるプロレスへの想い。
そこで徐々にリングに上がる機会を経て、自身が旗揚げたFMWでの日々に。
” FMWは知名度も金もなかった。どうしたらいいのか真剣に考えた末に、「目立つことをやらなきゃしょうがない」と思ったんだ。”(p59)
と、プロレス界を騒然とさせた有刺鉄線デスマッチをはじめとした過激なデスマッチ路線で耳目を集め、錚々たる面々との対戦に、やがてはプロレス大賞MVPなど数々の賞に輝くまでに。
誰よりも体現したプロレス愛
本書は、原彬さんとのインタビュー形式により構成され、参議院議員時代の回顧も章を立てて(第6章 政界へ、引退へ、そして復帰へ)ページを割かれている半生に迫った内容で、
” みんな、いろいろな人の人生背負ってリングに上がっているんだ。デスマッチがあり、ストロングスタイルがあり、王道があり、シュートがあるけれど、命を賭けているのはみんな一緒。”(p88)
に、
” やっぱり、俺はプロレスが大好きなんだよ。それに、いつも俺はプロレスに助けられてきた。批判もたくさんされるし、自分でもバカ野郎!って思うよ。だけどさ、心の底からプロレスが好きなんだよ。”(p224)
と散見される滾る熱さ、何より1,500針を超える傷を負ったという、誰よりも身体で想いを体現した生きざまが突き刺さってくる内容で、
本を読む前に抱いていた大仁田厚選手に対する先入観を見事覆された読書となりました〜