” 2023年8月3日。僕は、所属する北海道コンサドーレ札幌のGMである三上大勝さんにプロサッカー選手を辞めることを伝えた。”(p8)
という小野伸二さんが現役引退を節目として2023年11月末に上梓した『GIFTED』を読み始め、
1987年 8歳 から 2023年 44歳 まで掲載されているうち
” 1998年の3月。僕は浦和レッズの選手となった。”(p85)
とプロ入りまで読み終えた(〜 1998年/18歳)ので、そこまでのおさらい。
昨年(2023年)末に HMV&BOOKS SHIBUYAで開催された出版記念イベントで、
小野伸二さんよりサイン本を手渡しで入手していた経緯。
追い込まれ訪れた、覚醒の瞬間
本書は、
” 辞めるってどういうことなのか ー それはわからなかったけれど、ひとつ思いついたことがある。
それは「もっと多くの人を笑顔にしたいし、サッカーを楽しんでほしい」という僕が抱き続けた思いを形にしていきたい、ということだ。
そのひとつが、この本だった。”(p12)
と冒頭の「はじめに」で出版に至った思いが記され、本編では
” 月火水木金土日、毎日どこかで誰かに教えてもらうサッカーがあって、自分で楽しみを見つけたり、考えたりする時間がない。
実は、自分で見つけ出した「楽しみ」こそが、ずっとサッカーを好きでいられて、もっとうまくなりたいと思える原動力になるはずなのに・・・それができていないんじゃないか、と思うのだ。”(p31)
とサッカーに対する根底的な考えに、
“この瞬間、パチンと音がして、すべてが一気に好転し出した。ピッチでのイマジネーションが次から次へと湧き出てきて、技術はどんどんレベルアップし、自信がみなぎるようになっていった。”(p67)
と、相思相愛で進学した清水商業高校で
” 「きつすぎる・・・」
もう逃げ出したくて、地元に帰りたいと思った。
あれだけ行きたいと望んでいたキョウショウだったけれどもう無理だ・・・。”(p64)
と追い込まれながらも乗り越え迎えた(上述の)覚醒の瞬間等、
とかく天才のイメージが付いて回る小野伸二さんの等身大の姿に触れながら、これから広く我々が知る小野伸二さんのプロで築いていった理想と現実で新たに知らされることがあるものと、記録よりも記憶に刻まれることになったファンタジスタの半生、興味深く読み進めたく思います。