先週、中間記⬇︎をアップロードした
吉本興業ホールディングス会長 大﨑洋さんの社長就任の頃までの半生に常松裕明さんが迫った『笑う奴ほどよく眠る 吉本興業社長・大﨑洋物語』を読了。
やっては外され、疎まれながら
中間記後、読み進めた
第四章 漂流篇
第五章 死闘篇
には、
” 考えてみれば、吉本では、やっては外され、当たっては外されてばかりだ。
必死に走り回った東京から見放され、イチから作り上げた2丁目劇場を取り上げられ、ダウンタウンの担当からも外された。
クサイ言い方だが、どれも間違いなく愛情と情熱を注ぎ込んできた仕事だ。”(p208)
とダウンタウンとの衝撃的な出会いから可能性に賭け成功の礎を築くも、「アンチ吉本、アンチ花月」を旗印に掲げ、
従来の吉本のお笑いと一線を画し否定するかの試みに、吉本興業内で軋轢を生み吹き荒んだ逆風に、
” このままフジの番組をすべて降板すれば、コトはダウンタウンだけの問題ではなくなってくる。
フジテレビ対吉本興業、あるいは全テレビ局対吉本という対立になりかねず、最悪、吉本興業は東京のテレビ局での仕事を失い、大阪に逆戻りだ。
そうなれば松本も肝心の笑いを作る場所を失ってしまう。”(p278)
と、当時マスコミを賑わせた『ダウンタウンのごっつええ感じ』降板を巡るダウンタウンと局との間で板挟みとなった舞台裏に、
” 興行の現場では昔から様々な業界の人と接点があったことは歴史的な事実だ。カウスさんもそんな時代に育った芸人さんの一人で、情報も人脈もある。
ただし、誤解のないように言っておけば、その接点はあくまで一線を越えない芸人としての距離だ。
・・中略・・
面識はあったにせよ、やましいお金をもらったり渡したり、一緒に事業をしたりということは一切ない。
相手側から付け込まれるような弱みがないからこそ。立ち向かうことができるのだ。”(p350)
後半は、島田紳助さんの引退の引き金にもなった反社会的組織との関係断ち切りの厳しい修羅場の数々に・・
本書でしか知り得ることが出来ないであろうこと満載で、全376ページに見合う濃厚且つ痛快な読み応えを得ることが出来ました。