吉本興業ホールディングス大﨑洋前会長の『居場所。 ひとりぼっちの自分を好きになる12の「しないこと」』を読了。
サイン本販売情報に反応して
入手叶えていた著書。
大﨑洋さんに関しては2年半前に↓
その半生記を痛快といった内容に触れていましたが、本書ではご自身の手によって
” 二人やったら世界に行ける。お笑いの世界を変えられる。そういう二人やと俺は思うねん。松本と浜田やったら、全然新しいことかて、絶対にできるはずや。そやから、俺がマネージャーやるわ」”( p046)
といち早くダウンタウンの才能を見出しブレイクに至るまでの日々が振り返られているのをはじめ、「三人目のダウンタウン」と評された関係性が滲む記述あれば
“「えらいもんや。何気ない日常の中に、いつ殺されるかもわからないリスクってあるもんやな」”(p166)
と眩しく感じられるポジションとは裏腹な現実の一端があったり、
長く会長職に就かれて吉本興業(ホールディングス)からさぞ賑やかな日常を過ごされてきたのかと想像していたところ・・
” 1時間だけでも避難場所に行っておいたほうがいいのは、「会社でうまくいっていない」とか「職場のみんなに嫌われている」など、つらい時だけではありません。
何もかもが順調にいっていて、むしろやる気に満ちてがんばっているような時、それがプレッシャーとして逆流し、襲いかかってくることって案外あります。
絶好調の波に、溺れる不思議。
人生の波の高さ、こわさ。
限界を恐れず高い波を乗りこなせるほど、上手なサーファーばかりじゃないと思います。
清水湯は僕にとっていまだに避難場所であり、半世紀通い詰めています。日本でナンバーワンの銭湯だと思っており、あまりに好きすぎて、自宅が宝塚にあるのに「清水湯に通うためのワンルーム」を借りていた頃もあったほどです。”(p131-132)
と銭湯での時間をはじめ自分ひとりの時間をことさら大事にされている言及からイメージを覆されたり等、300頁+に及ぶ厚みで盛りだくさん。
心をラクにする心がけ
そのような中、
” セコくても、出来が悪くても、自分は自分です。ささやかな楽しみを見つけながら、ぼちぼちやっていけばいい。
安いB級の定食を食べても、高いイタリアンやフレンチを食べても、何を食べてもおいしいと思うその心が大切です。
僕の願いは僕の願いで、他の誰かと取り替えることはできないんです。
だから、比べても意味がない。競争はもう、「しないこと」「関係ないこと」になるんじゃないでしょうか。”(p106)
や
” みんな、「どうしたいか」は違っています。幸せなんて、人によって違う。
目指すゴールが違うのに、競争したところで意味なんかありません。”(p103)
とタイトルの居場所に絡んでの示唆に、
” 自分に何ができるかはわからないけれど、誰かに何かを頼まれたら、「わかった」と言って懸命にやる。自己表現やら合理性やらはいったん捨ててしまい、人のために自分は何ができるかを追求してみる。そのうちに、誰かの役に立つことが見つかるんじゃないでしょうか。”(p219)
といった引きこもり生活を含め悶々とした学生時代を過ごした大﨑洋さんがビジネス界で頭角を現すことになる心がけなども記されており、体験談を踏まえ読者の背中を押してくれる内容に厚みに沿う読み応えを得られました。