先日、中間記をアップロードして
現在、読み進めている大下英治先生の『幹事長秘録』刊行記念「大下英治が語る、歴代『幹事長秘録』と安倍政権の行方」に参加。
幹事長たるもの
大下英治先生からのご連絡で開催を知り、「無料かぁ!」と即申し込み、楽しみに迎えた当日。
前半は本の内容に沿って、田中角栄元首相の「幹事長ほど面白いものはない」と語ったエピソードから
幹事長職に適性のある人(ex. 自分で踊りたい人は向いていない)であったり、幹事長職に就いた人たちのエピソード(ex. 現在の二階俊博幹事長は総理への野心がないことから安倍晋三首相は安心して外遊に行ける)など。
今回の講演を拝聴するまでは官邸の権限が強化され、従来から幹事長の権力が弱まっているとの理解でしたが、
今でも党を守らなくてはならない幹事長の権限は強力で、(例えば)二階幹事長が(人材を)切る方向に動いたら切らざるを得ない状況を事例を用いての解説があり、「やっぱり強いのか」と。
昨今の停滞する野党の現状には、自分が目立とうとする人たちばかりで、人のために汗を流せる人、幹事長として支えられる人材がいない現実に言及。日本の政治に重たくのしかかるご指摘でした。
安倍政権の光と陰
興味深かったのは中、後半の(本に書いてないであろう)安倍政権の構造と見通し。
肝は第一次政権失敗の教訓を活かして、総理就任後、まず自宅に官僚の今井尚哉さんを招き首相秘書官に任命したことと、菅義偉官房長官の抜擢。
当初は、この二人の連携が機能して、毎朝10:00から2、30分ほど安倍総理等を交え、打ち合わせをして懸案事項を協議し、決定を下すプロセスが、安倍一強と称されるほどに機能していたものの
このところは統治が効き過ぎて、ほころびが出てきたと。役人の忖度が蔓延するようになり、
また、政権の危機管理は出来ていたものの、安倍総理の家庭の危機管理が疎かで、このことは根深い事情があり、言及はなされませんでしたが、
政権の禅譲が目されていた秋に実施予定の自民党総裁選挙で岸田文雄衆議院議員が出馬せざるを得ない状況まで到達。
森友、加計問題を拡大させた安倍晋三総理自身の「この問題に私又は妻が関与していたら総理大臣も国会議員も辞める」発言に見られるような制御が効かない場面もあり、(内閣総辞職は考えづらく)解散といった選択肢も想定され、
政権の先行きが波乱含みとなっていることが、マスコミに報じられる事例とは別途に説明され、話しに惹き込まれていきました。
現実の舞台裏とこれから先
当初は1時間の予定が、主催者からやんわり切り上げの指示が入るほどの熱の入りようで
「もっと聞いていたかったなぁ」の思いも、
計1時間15分に及ぶあまり表沙汰にならない舞台裏話し中心の構成に、この場に足を運んだ甲斐を十分実感出来ました。
また、開演前と後とに、
大下英治先生と僅かながら交流の機会もあり、
先生の講演は実に2015年6月以来でしたが、
また機会を捉えて講演に足を運び、お話しに耳を傾けたいと実感させられました。