前々回、中間記 ⬇︎
をアップロードした写真家 大竹英洋さんの『そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森 ノースウッズ』を読了。
踏み出した写真家としての歩み
その(中間記)後に読み進めた中、後半は、旅の大きな目的であるアシスタントを願い出たJim Brandenburg:ジム・ブランデンバーグから
” すぐに、ここで写真を撮りはじめたらいい。このまわりは私の私有地だ。森も湖もある。動物もいる。好きなだけ写真を撮ればいい。そしてたまに、きみが撮った写真を一緒に見て話をしようじゃないか。”(p235)
との提案を受け、ジム・ブランデンバーグの紹介を受け、
” いま現在、生きている、すべてのアメリカ人のなかで、最も偉大な探検家と称される男なんだ。”(p239)
という探検家 Will Steger:ウィル・スティーガーの私邸(ホームステッド)に泊まりで手伝いをしながら写真家の歩み始めに、
ジム・ブランデンバーグの私邸に戻っての
“「大切なことは、なにを見ようとしているか、その心なんだよ。”(p382)
と、技術的なことではなく写真家として大切な心得の手解き等、得難い環境で引き寄せた貴重な瞬間の数々が振り返られています。
道を切り拓いた者たちからの教え
僅かな手がかりを頼りに、
旅の過程で覚えたカヤックを駆使するなどして辿り着いた(ノース・カントリー・)ロッジから人の縁を介して、所与の目的を達成していくという一大冒険記。
大竹英洋さんが、目指すべく人たち(ジム・ブランデンバーグ、ウィル・スティーガー)との交流を通じて
“「シンプルなものだ。毎日、繰り返しだ」
もちろん、ニス塗りや薪割り、薪積みの作業を、命がけの歴史的な探検と比べることはできないかもしれません。でも、途方もない計画に向かってウィルの探検隊が毎日進んでいく姿を実感として理解する手がかりが、そこにあるような気がしました。”(p289)
に、
“「Put your boots on and start walking !(ブーツを履いて、歩き出せ!)」すぐさま、ウィルは続けました。
「ミシシッピで川下りをしたときも、したいと思ってすぐに行動に移したんだ。北極もそう。南極も同じ。実現するまでに時間はかかった。でも、まずは歩き出さないとなにも始まらない。”(p299)
或いは
“「ミステイクを恐れない。そう言い変えてもいい。とにかくシャッターを押してみること。技術や構図は大切だが、すべてをコントロールできるわけではないんだから・・・」
技術を超えたところにあるものを信じられるかどうか。それが、人の心をつかむ写真を撮れるかどうかの資質なのかもしれません。経験からしか語ることのできない話は、天からの啓示のようで、ぼくはずっとジムの言葉に魅了されつづけていました。”(p386)
など、大竹英洋さんに限らず、多くの読み手に刺さるであろう経験に基づいた示唆が本文に散りばめられており、汎用性高い内容に感じました。
私個人、(2021年)5月ふとしたきっかけ(=TV視聴)で訪れた写真展の主が、このような凄い経験(冒険)を経て、
写真家の栄誉 土門拳賞を受賞されたことを知るに至った興味深い読書となりました〜