ヴァージン・オーストラリア ケアンズー羽田線、2023年6月28日開設
” ケアンズ-羽田線を2023年6月28日に開設するヴァージン・オーストラリア(VOZ/VA)。同社初の日本路線で、新たに導入するボーイング737-8(737 MAX 8)で運航する。
豪ヴァージンは当初、2020年夏ダイヤでの羽田空港の昼間時間帯増枠で割り当てられた1枠分を活用し、ブリスベン-羽田線を同年3月に開設する予定だった。
その後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に加え、同年4月に新型コロナの影響により日本の民事再生手続に当たる「任意管理」に入り、事実上の経営破たん状態となったことから就航を延期した。
一旦は頓挫しかかった羽田就航へどのようにこぎ着けたのか──。
豪ヴァージンのマイル制度「ベロシティ・フリークエント・フライヤー」のCEO(最高経営責任者)で、日本就航担当のニック・ローラック氏と、豪ヴァージンでジェネラルマネージャー・セールスを担当するダレン・マクダーモット氏の、豪州から来日したキーパーソン2人が都内で取材に応じた。
◆737-8で羽田就航
就航が当初の予定から3年以上延期することについて、ローラック氏はコロナと経営破たんの両方が影響したとした上で、「会社の再生を図る上で、日本市場への参入が優先事項のひとつだった」と強調。
破たん前に保有していた777-300ERとエアバスA330-200型機の長距離機材を退役させ737の単一機種に統一したことで日本就航が一旦は頓挫したものの、2023年初頭に737-8を新たに導入することで、日本就航へこぎ着けたと説明した。
羽田への乗り入れは、豪大陸東海岸のブリスベンから、観光需要が旺盛な北端のケアンズに変更した。ケアンズに変更した理由についてローラック氏は「ブリスベンからの就航は別の(長距離)機材を発注しなければならない」と述べ、導入に時間がかかる見通しの長距離機材の活用よりも、短期で導入できる737-8での開設を決めたとした。
◆737-10遅延「影響ない」
豪ヴァージンは737 MAXのうち、胴体長が最長となる737-10(737 MAX 10)を25機発注済み。
当初は標準型の737-8の導入も予定していたが、2年前の2020年12月に発注済みの23機をすべてキャンセルし、737 MAXは737-10の1機種に絞った。
その後計画を再び見直し、737-8の再導入を決定。機数を8機に変更し、初号機を2023年初頭に受領する見通し。
ローラック氏は737-8の再導入について「当初の発表は2年前で、状況が明らかに変化している」と説明。豪国内はコロナから抜け出したことで、国内・国際線ともに高需要が見込めることから再導入を決めたという。737-8を本格投入するのはケアンズ-羽田線が1路線目となると明かし、国内線での慣熟飛行後に、国際線への導入を始める。
737-10は、製造元のボーイングがFAA(米国連邦航空局)から「型式証明」(TC)を取得する時期が2023年後半にずれ込む見通しだ。機体の製造国が安全性を証明するもので、当初は今年12月を期限とし、就航は計画から3年延期した2023年を目指していた。
ローラック氏は737-10の遅延について、「私たちには影響ない」との見方を示した。また長距離機材の再導入については、737の単一機種で運航するのが現在の計画だとしつつ、将来的には「研究している」と述べ、再導入に含みを持たせた。”(出典:Aviation Wire via Yahoo! JAPAN)
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