書店で見掛けて「良さそうだな」・・ 次いで、電子書籍版での発行を確認して・・ 仲間内の評価を確認して、かなり楽しみな感じで購入。
現在、3分の1程度まで来ましたが、案の定な感じでマーキング箇所がもりだくさん ^=^
ピーター・ティール、その影響力なる
著者のピーター・ティールについて、「日本語版 序文」を書かれている『君に友だちはいらない』など著作を出版されている瀧本哲史さんの表現を引用すると
” わかりやすい説明をすれば、世界最大のオンライン決済システム、ペイパル(PayPal)の共同創業者であり、現在は、エンジェル投資家(ごく初期のベンチャー企業に自己資金を投資する)、
ヘッジファンドマネージャーとして、様々なテーマに投資している人物である。
のちに電気自動車のテスラ・モーターズを創業したイーロン・マスクのXドットコムと合併させ、これを株式公開(IPO)させたあと最終的にイーベイに売却した。その後、活動の中心を投資業に移す。” (1%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)
Paypal=イーロン・マスクと思っていましたが、違うんですな。著者に関しては、本著でその存在を知った次第。
人物像に関して・・
” フェイスブックの上場まもなく、フェイスブック株をほとんど売ってしまったのだ。これが原因でフェイスブック株は大幅に下落した。” (1%)
といった履歴や
” ペイパル出身者が次々と会社を立ち上げ、あちこちの分野で成功して、その人的、経済的ネットワークが大きな影響力を持っていることから、
彼らを俗に「ペイパル・マフィア」”と呼ぶが(先述のスペースX、リンクトイン、イェルプの他にも、ユーチューブ、テスラ・モーターズ、キヴァなど各分野のトップ企業がことごとくペイパル出身者による創業なのである)、
ティールはこの「ペイパル・マフィアのドン」だと、彼らを特集したフォーチュン誌で評されている。” (1%)
といった記載から、本の頭で影響力を持った人物である事が知らしめられます。
「成功の方程式はない」が意味すること
本編に入り、本著について・・
” 『ゼロ・トゥ・ワン』は、新しい何かを創造する企業をどう立ち上げるかについて書いた本だ。僕がペイパルとパランティアの共同創業者として、
その後フェイスブックやスペースXを含む数百社のスタートアップへの投資家として、直接学んだことのすべてがこの本の中にある。
その過程で起業には多くのパターンがあることに気づいたし、本書でもそれらを紹介しているけれど、この中に成功の方程式はない。そんな方程式は存在しないのだ
ー 起業を教えることの矛盾がそこにある。どんなイノベーションもこれまでにない新しいものだし、「こうしたらイノベーティブになれますよ」と具体的に教えられる専門家などのいないからだ。
実際、ひとつだけ際立ったパターンがあるとすれば、成功者は方程式でなく第一原理からビジネスを捉え、思いがけない場所に価値を見出しているということだ。” (7%)
ピーター・ティールが採用面接で必ず訊くという質問があるそうで、それは・・
” 「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」” (7%)
というもので、その意図は
” 学校では基本的に異論のない知識しか教わらないので、この質問は知的なハードルが高い。それに、その答えは明らかに常識外れなものになるので、心理的なハードルも高いからだ。
明晰な思考のできる人は珍しいし、勇気のある人は天才よりもさらに珍しい。” (7%)
人は正解を探したがるとの指摘は、現在、受講中の神田昌典さんのビジネスプロトタイピング講座の初回講師の藤原和博さんの指摘と重なっていて、興味深いです。
>> 藤原和博さんが教えてくれた「それぞれ一人一人」の時代の「稼ぎ方」:神田昌典ビスネスプロトタイピング講座 その壱 <<
因みに、上記質問に対する回答のヒントは・・
” 未来は今と違う、だけど未来は今の世界がもとになっている。あの逆説的な質問への答えのほとんどは、異なる視点で現在を見ているだけだ。視点が未来に近づくほど、いい答えになる。” (8%)
この部分だけ引用すると解釈が難しいですが、本を読み進めていくうち、ピーター・ティールの世界観が伝わって来る感じがして、解がおぼろげに見えてくる感覚も得られてきます。
今、amazonで確認したら本書のページ数256。
読み応えあると思いますが、それだけの情報量だと読前読後でビフォー・アフターもありそうです。
誤った認識に対し、投じる疑問符
前半では、起業の心得的な記載があり
” シリコンバレーに居残った起業家は、ドットコム・バブルの崩壊から四つの大きな教訓を学んだ。それがいまだにビジネスを考える時の大前提となっている。
1. 少しずつ段階的に前進すること ・・中略・・
2. 無駄なく柔軟であること ・・中略・・
3. ライバルのものを改良すること ・・中略・・
4. 販売ではなくプロダクトに集中すること ・・中略・・
これらの教訓は、スタートアップ界の戒律となった。それを無視すると、二〇〇〇年のハイテク・バブルの二の舞になると考えられている。” (14%)
これをピーター・ティールは下記の如く覆し
” でも、むしろ正しいのは、それとは逆の原則だ。
1. 小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
2. 出来の悪い計画でも、ないよりはいい
3. 競争の激しい市場では収益が消失する
4. 販売はプロダクトと同じくらい大切だ
・・中略・・
ただし、すべてを逆にすればうまくいくというわけでもない。イデオロギーを否定したところで、群衆の狂気から逃げられるとは限らない。
むしろ、こう自問すべきだ。ビジネスについて、過去の失敗への間違った反省から生まれた認識はどれか。
何よりの逆張りは、大勢の意見に反対することではなく、自分の頭で考えることだ。” (14%)
ピーター・ティールが誘(いざな)う未来
このあたりに本書の真髄がありそうです。読者の固定観念を挑発し、ピーター・ティールが考える未来を共に創れる人たちへのメッセージ。それが最初のインプレッションです。