明治大学文学部教授で、TV番組へのご出演も多い齋藤孝先生の『世界の見方が変わる50の概念』を読み始めて
50示されている概念のうち半分を読み終えたので、そこまでの中間記。
本書を手に取ることになったのは、「何か(面白いの)ないかぁー」と書店内を彷徨っていた際に、
本書の前を通りかかったもので、「これはー!」と購入に至ったという経緯。
人生をラクにしてくれる「概念」
本の冒頭、【序】で
” <すぐれた概念は、世界の見方、ものの見方を変えてくれます>。”(p14)
” <すぐれた概念は、先人の知恵と思考の結晶です。世界の見方を変え、思考を豊かにしてくれます。不安定になりがちな心をしっかりさせてくれるものでもあります。>”(p15)
と概念についての説明があり、
” 今の世の中は、複雑かつ目まぐるしいスピードで進んでいます。そのなかで心をどう保つかが大きな問題になっています。
ちょっとやり方を間違えると、誰でもうつ気味になってしまいます。人と離れている気分がして、孤独感にさいなまれる。
反対に、人のなかに埋没してしまって、自分を見失ったように感じる。人に気を使いすぎてストレス過多になり、人から離れたいと思うようになる。
そうしたさまざまな問題が、以前よりも速いテンポで私たちを襲ってきています。
さらには、入ってくる情報も以前より格段に多くなっていますし、求められる仕事量も増えています。
パソコンが導入されて、一人で三人分ぐらいの仕事がこなせるようになったことで、非常に厳しい仕事環境になってきています。
また、非正規雇用が増えていることもあって、今の仕事を淡々とやっていれば安泰というビジョンが描けす、安心感が以前より減ってきています。
そんなこともあって、人生をラクにしてくれる武器を願う人が増えています。”(p15)
と時代を捉え、概念を
” <概念を知って味方につけると、世界がクッキリと見えてきます。新しいものの見方で自分や社会や世界を見ると、
これまで思っていたこととちがうことが見えてきて、今までもやもやしていたものがスッキリする。
概念には、人生をラクにしてくれる効用があります。> “(p16)
↑と位置づけられ、人生をラクにしてくれる50の概念が、各4ページに渡って紹介されているもの。
概念:トゥリー/リゾーム、パラダイム、超人
半分のところに来た過程で、納得させられたり、或いは目から鱗であったり・・ それらの一部を抜粋すると
” 【トゥリー/リゾーム Tree/Rhizome】
私たちは、整然と整理されていることがいいことだと思い込みがちです。しかし、それは多様性を排除することにもつながりかねません。
網の目のなかで接続したり切断したりするたびに、新しい価値や性質が生まれ、多様性が生まれる。そのような自在なネットワークでつねに変化していきたいものです。”(p40/p43)
“【パラダイム】Paradigm
時代の価値観というのは、その時代に支配的な考え方に乗っかっているわけですから、もしパラダイム・シフト、価値観の変化がすでに進行しているとすれば、<シフトに気づいて考え方を変えていかないと時代遅れになってしまいます。
・・中略・・
私たちは<パラダイム>に支配されて生活しています。まずは、「自分はどんなパラダイムに乗ってものを見、考えているのか」と自問してみる必要があります。
新しいパラダイムにシフトすることは、自分自身のあり方を変えることになります。”(p52-55)
“【超人】Ubermensch
ニーチェの言う「少なくとも一回は踊らない日は、失われた日だ」を思い出します。この生きている世界をもっと楽しんでいいのではないかという問いかけです。
< 自分の価値を認めて、自分の目標をこなしている人こそ、超人的な生き方をしている人 > です。
人生は同じことの繰り返しです。これはしんどいことですが、受け入れるよりほかはありません。
人生を自由に力強く生きていけるかは、いやなことも引き連れて、自分の人生を全部肯定して、「よし、もう一度」と思えるかどうかにかかっています。”(p92-95)
といった具合。
本書の最大の効用は、自分では当たり前と思っていたこと(概念)が、
他の人(或いは社会)にとっては当たり前ではない気づかされることにあるものと。
後半、残り25の概念についても発見があればと、読書のプロセスが楽しみです。