今週末は「我が心のジョージア」をはじめ数々の代表を曲を遺した Ray Charles:レイ・チャールズの生涯を描いた『Ray/レイ』をDVD鑑賞.-
最初、レイ・チャールズを(音楽の)ジャンルを用いて説明しようとするも、R&B、ソウル、Jazz等から特定出来ず、代表曲を引用しましたが、
作品の中では溢れる才能に、時代を読む感覚から様々なジャンルに取り組み、消化していったシーンが描かれています。
話戻って・・ 本作を手に取ったきっかけは、このところミュージシャンの生涯を追った作品の鑑賞が続いており
最寄りのレンタル店の在庫状況見るに、その系統で残っていたのが「Ray/レイ」程度と思われたこと。
作品自体に対する関心は高くなかったものの、見るに適当なタイミングが今巡ってきたと選択。
昨年(2015年)は1月に Christopher Nolan:クリストファー・ノーラン監督作を立て続けに鑑賞していましたが、今年はミュージシャン・シリーズということに。
レイ・チャールズと私
レイ・チャールズの名前は当然の如く知っていたものの、作品との接点は学生時代に1枚ベスト盤の類(但し、↓とは異なる)をレンタルして聴いていた程度。
本作でも披露されている Unchain My Heart などは、脳裏にインプットされており、
他ではサザン・オールスターズの「いとしのエリー」をカバーしていることなど、事前知識は断片的。
失われた光、母と誓った教えを胸に向き合った生涯
幼少の頃、シングルマザーのもと厳しい経済状況の中で育ち、その過程で事故で兄弟を失う悲劇の現場に立ち会ったり、やがて自身は視力を失い全盲に。
ここから内面の葛藤、周囲と格闘しながらも天賦の音楽的な才能が開花していく様子が、約150分に及ぶ長尺で描かれています。
Ray – Official Trailer(英語版/予告編)
先入観ではハンディキャップを克服して、後世に名を残すまでになった感動のサクセスストーリーかと思えば・・
然にあらず(笑)
成功も桁違いだったが、闇も深かった
序盤は感動ストーリーといったトーンで話しが進み、母の教えに従い、自立する覚悟を持って周囲と向き合っていったは良いが
薬物であったり、女性関係であったり、自信の裏返しが傲慢さに転じたり。
ときに見ている者の感情の離反を招くシーンもちらほら。
それだけに、レイ・チャールズの生涯のありのままの姿を描こうとした意図がうかがえ、作品に重みを持たせていると思います。
そういう中で気骨ある生き様も見せ、エンディングシーンに導かれていくことになります。
伝説が次から次に生まれていった時代
私のここ最近の一連の鑑賞作を振り返るとジェームス・ブラウンにしろ、スライ・ストーンにしろ、ジミ・ヘンドリックスにしろ
それぞれ登場した時期が近似しており、もうこういったスターが生まれる時代背景ではないのかもしれませんね。
記載の通りの事情から主人公に共感を抱く作品ではなかったものの
音楽史に名を残したレイ・チャールズの実像に迫ったヒューマンドラマとして、また、時折ミュージックビジネスの舞台裏も垣間見え、
オススメ!という作品に非ずも、ストーリー進行にしばしのめり込まされたのは、実在の人物を描いたリアリティにキャスティングされた役者陣の力量によるものと。