先週、読み始め記をアップした『RED 俺のロック人生 サミー・ヘイガー自伝』を読了。
>> サミー・ヘイガーが駆け上がったロックスターへの道:『RED 俺のロック人生 サミー・ヘイガー自伝』読み始め <<
前回は生い立ちから VAN HALEN加入前まで(第1章〜第6章)でしたが、
本書購入の目的であった VAN HALEN加入時のエピソード(第7章以降)は、やはり興味深く読み進める事が出来ました。
例えば、前任のDavid Lee Rothが居てこそ VAN HALEN と思っていたファンが主に揶揄した呼称と思っていた
「VAN HAGAR(ヴァン・ヘイガー)」が、メンバー間で実際に提案されていたという件(くだり)・・
” ワーナー社長、モー・オースティンが、もろもろの話し合いをするために、エディの5150スタジオへやってきた。
彼は、何と言うか、警戒していた。そして、バンドの名前を変えたらどうかと言い出した。
ヴァン・ヘイガーという案もいい、と。
エディと俺は協議して決めた。いいや、名前は変えない。ー 俺たちは、ヴァン・ヘイレンだ。” (p136)
本書の特色として、性に絡んだ描写を含め、その生々しさが上げられると感じていますが、
そこにロックスターらしい豪快さであったり、ほろ苦さが記述されていて、
例えば前者(性描写)寄りでは作曲時の裏話に絡めて・・
” (OU812)最後に書いたのは「フィニッシュ・ホワット・ヤ・スターテッド」だ。
これは、制作終盤、もう一、二曲必要だということになって作った曲だ。
エディは、人からアイデアをもらい、そこから何かユニークで特別なものを生み出すのが得意だった。
俺は彼に、ザ・フーの「マジック・バス」のような、リズムとアコースティックギターの強調された曲をやるべきだと提案した。
それまでヴァン・ヘイレンでは、アコースティックギターの曲をやったことがなかったからな。
ある夜、俺がマリブの家のベッドでベッツィー(前妻)と横になり、一発やろうとしていると、エディがドアをノックした。
ドアと言っても、玄関ですらない。寝室のベランダの真下にある、ビーチ側の裏口だ。
俺のいる場所からも、エディの影が見えた。
暗闇に、煙草の火が光る。上半身は裸。首からアコースティックギターをかけていて、片手にはジャックダニエルの瓶を持っている。
「エド、何だよ」俺は言った。「なあ、アイデアが浮かんだんだ」とエディ。
「夜中の二時だぜ。」俺は言った。「こっちも疲れているんだ」。
「かみさんに追い出されたんだ」エディは言う。「頼むよ、中に入れてくれ」。
俺は階下に降りた。ベッツィーはお冠だったが、それしかないだろう?
エディは俺の親友で、曲作りのパートナーでもあるんだから。
ベッツィーは電気を消した。エディは煙草を吸っていたから、俺は奴を中には入れず、一緒にポーチに腰掛けた。
エディが弾いて聴かせてくれたのは、「フィニッシュ・ホワット・ヤ・スターテッド」のリフだった。
衝撃だったね。俺も家の中からアコースティックギターを持ってきて、トニー・ジョー・ホワイトみたいに演奏した。
俺の頭の中はまだ、二階に戻って女房を抱くことがあったから、曲に合わせてこう歌った。
「なあベイビー、始めたことを終わらせようぜ」
結局、この願いは叶わずに終わった。俺は、日の出を見てから、エディを追い出したが、
そのときには、ほとんど一曲全体が出来上がっていた。
俺は二階に戻ったらどうなるかを想像しながら歌詞を作った。これは、満たされないセックスについての歌なんだ。” (p154-155)
“Finish What Ya Started” (1988)
後者(ほろ苦)の方でいくと・・
” 俺がヴァン・ヘイレンに加わったばかりの頃、しょっちょう聞かされたのは、アル(アレックス・ヴァン・ヘイレン)の誕生日のパフォーマンスの話だ。
その日、彼らは全員で、日本食レストラン「ベニハナ」に行った。
到着したとき、アルはすでに酔っていた。自分の誕生日だっていうのにさ。
彼は席に着くと、さらに熱燗やら何やらを飲み、やがて、テーブルの上に立ち、シャツを脱いで踊り始めた ー 鉄板のすぐ側で。
ちょうど、店員を料理した直後の、熱々の鉄板のすぐ側で。
アルは、ズボンを下ろして、そこら中の人にちょっかいを出し始めた。
アルは、ズボンを下ろして、そこら中の人にちょっかいを出し始めた。
すると、彼は突然バランスを崩し ー 足首までズボンを下げていたせいだ ー 鉄板の上に仰向けに倒れた。ジュー。
起き上がることができず、エビみたいに転げ回るアル。ジュー。ギャー!ジュー。ギャー!
何もできず、いつまでも鉄板の上。みんなでアルをそこから引きずり下ろして、もちろん、病院に運んだらしい。彼は、体中火傷だらけだった。
(エド・)レフラー(マネージャー)の言うとおり、ヴァン・ヘイレンの奴らはイカレていて、わがままだった。だが、気のいいいい奴らでもあった。” (p142)
VAN HALENに関しては広く知れ渡る武勇伝も幾つかありますが、⇩こんな底抜けに明るい曲を作る人たちなので
“Hot For Teacher” (1984)
やはり、どこか凡人離れしたところはあるものと(笑)・・ 正味、笑えないながらも、
その舞台裏で繰り広げられている人間臭さに、また惹かれるような妙なファン心理も(笑)
その他、David Lee Rothとお互い元VAN HALENの2枚看板でツアーに出た際のエピソードや
テキーラビジネスの成功も有り、ようやく得た安らぎに包まれた現状に至るまで。
Sammy Hagarから見た事実で、相手の立場からの見方なり、反証も当然あろうことと思いますが
VAN HALENのファンが読むには、興味深い約300ページであることは言い切れる内容でした。
Facebook コミュニティ: Runnin’ with VAN HALEN、5150な皆さんの加入をお待ちしています○┓ペコッ