ラジオ・ナビゲーター、作家などでお馴染みロバート・ハリスさんの『アウトサイダーの幸福論』を読了.-
先日参加したトークショーの会場で販売されていたことが縁で入手した一冊。
著作のタイトル、風貌やイメージから淡々とクールに生きてこられたのかと思いきや・・
” 鬱も経験したし、ふたりの弟を亡くした。父親との確執は長い間続き、結局ぼくたちの関係は和解しないまま終わってしまった。
破産もしたし、失恋は何度もした。離婚も二回経験したし、このおかげで愛する息子とは長い間一緒にいられなかった。
失業したこともあるし、金銭的にきつかったことも多々ある。病気も何回か経験した。”(p46)
と、ロバート・ハリスさんのライフスタイルが、これらの経験、出来事を通じて、決してラクに確立されたことではないことが本書から滲んできます。
アウトサイダーの幸福論
タイトルで示された「幸福論」にリンクする内容は
” やって楽しいこと、心からやってみたいこと、これをひとつでも良いから見つけるのだ。
どんなことでも良い。他人から見たら、なんてくだらないのだろうと思われるようなことでもかまわない。
心の底からやりたいと思うことを発見し、追い求め、実現していくのだ。
人間のやる気なんていうものは、そういうシンプルなプロセスから生まれてくるものだ。
好きなことをコツコツとマイペースにやっていくうちに、情熱が芽生えてくるものだ。”(p.83)
であったり、
” 幸せ、というものは「金持ちになる」とか「有名になる」とか「白馬の王子と結婚する」といった大きな夢の中にあるのではなく、今、という瞬間の些細なできごとや景色の中にある。
・・中略・・
目の前にあるもの、今ここにあるものから幸せを感じ取るには、それらの観念、概念を一旦捨て去り、頭の中を空っぽにすることだ。
自分が幸せになるのも、不幸せになるのも、結局は意識の在り方、英語で言う 「State of mind」なのだ。”(p.110)
アウトサイダーの実像
全編を通じて、ロバート・ハリスさんのライフタイムストーリーに、著名人等のお気に入りのフレーズを引用し社会に対して感じておられることをコラム仕立てに書かれておられたり。
イメージの裏側で、もがき苦しまれてきたギャップが印象に残りましたが、
タイトルに掲げられている「アウトサイダー」を
“ぼくは、アウトサイダーとは人間の生きていく上でのスタンスやスタイルといった心の領域を表した言葉だと思っている。
つまり、アウトサイダーとは、常識や社会のルール、あるいは特定の組織や集団のセオリー、そうしたものに囚われることなく、自由に考え、発想し、行動する人間のことを指すのである。”(p.3)
と定義し、
” 大切なのは、一歩を踏み出すことだ。そしてがむしゃらに前へと突き進んでいくことだ。
そして、失敗を恐れないことだ。失敗したら、めげずにもう一度トライすれば良いのだ。”(p13)
” アウトサイダーとして生きていくのは長い勝負だ。どんな小さなことでも良いから、自分がしたいこと、やりたいことを把握し、それに向かって一歩一歩、歩を進めていくべきだ。”(p.16)
様々な苦難に直面しながらも、自分自身の在り方を明確に定め(ロバート・ハリスさんの場合=アウトサイダー)、
本書を通じて、自分の心に正直に向き合い、人より多くの幸せを実感していくhow to に触れることが出来ます。