すかんちのフロントマンにソロ活動と並行してTV番組への出演等でお馴染みROLLYさんの
『ROLLYのロック・ギター異人館』を読了。
本書は瞬殺で席が無くなったと思わしき刊行記念イベントで知り、
知った時には満席で参加は叶わずも、イベント後に販売されたサイン本情報を知り
即日、閉店近い頃に駆け込んで入手していたもの。
タイトルだけ読むと、てっきり(洋楽なら)Jeff Beckに、Jimi Hendrixに、Eddie Van Halenに・・
といった面々が紹介されているのかと思いきや、本を開いたところの「はじめに」で
” ロック・シーンを見渡すと、ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラブトン、ジェフ・ベック、リッチー・ブラックモア、ジミー・ペイジといった、誰もが知っているスーパー・ギタリストがいるわけです。
しかし、世の中には決して大スターと言うほど光が当たらないながらも、最高にかっこいいギタリストが沢山いるのをあなたはご存知だろうか?”(p2)
とあり、目次に目をやると・・
名前くらいは知っている(というギタリスト)と、このジャンル結構知っているつもりでいたものの・・
初めて名前を知ることになるギタリストもちらほら。
本編に突入する時点では255ページ(1ギターリスト6p x 34名+番外編等)に及ぶ厚さもあり、「ブログも2回に分けて」なんてことを考えていましたが、
読み始めるとROLLYさんの語りから書き起こされ肌に伝わってくるロック愛が気持ち良く、
また、プレーヤー(ギタリスト)でなくとも「読むロック」として楽しめ、想定していたより早く読了に至りました。
本書はヤング・ギター誌の連載コラム「ROLLYのロック・ギター異人伝」がベースになって一冊にされたもので、
どのようなことが書かれているかというと、
例えばわたし的に読んで嬉しいVAN HALENを切り口にすると
” アクセル・ローズの歌い方がナザレスのダン・マカファーティからモロに影響を受けていることは周知の事実ですが、
一方ヴァン・ヘイレンのヴォーカリスト、デイヴィッド・リー・ロスにもそういう影響源になった人がいるということ、御存知ですか?
それはブラック・オーク・アーカンソーのシンガーであるジム・ダンディ。
日本ではオジー・オズボーンなどと共演してきた名ドラマー、トミー・アルドリッチがいたバンドとして知られているかと思います。”(p89/番外編1 ブラック・オーク・アーカンソーの巻)
或いはROLLYさんの友達 HURRICANE(Neo Fantastic)さんの引用では
” ギターリストのJim McCartyは、世界一のどアホウペンタトニック弾きまくりギターリスト!
ワイルドなのに音の粒立ちがすばらしくお得意フレーズはあるにはあるが指クセ臭さがなく、
俺からすればウルトラテクニシャン!世界中のどアホウ達を狂わせ、Van Halenにありえないぐらいの影響を与え、Ted Nugentを「俺もこんなイカレポンチになりたい!」と発狂させ、
Jake E Leeにエレキを持たせた男なのだ!Led Zeppelinを超えたと言われる狂熱の演奏を聴いてくれ!”(原文ママ)(p196-197/第30章 ジム・マッカーティ)
といった具合。
あふれ出すロック愛
ギターリストということでプレーに関して秀逸な一文を引用すると
” この曲のギター・ソロを聴いてぶっとびましたね。これが圧倒的におかしいんですよ。
ヴィィィン、ニュオオオン!といってるだけだったり、スケールなんてあったもんじゃなくて、音が外れまくりなとんでもないフレーズばかり。
「なんじゃこりゃあああ!」と思うしかないんですよ。
馬の鳴き声みたいなアーミングでヒヒーン!と叫んだ後に、音を外しまくって締めるっていうメチャクチャぶりなんです。
ソロ自体はコンパクトなんですけど、グリスがあまりに豪快すぎるし、アーミングが狂ってるしで、もはやテクニカル・ギターと呼ばれるものの常識をすべて破壊する凄まじさ。
こんなギター・ソロは他に聴いたことがない!
で、「Marionette」っていう曲のソロも別にどうってことないフレーズのはずなのに、何かがおかしい!
前回のジーノ・ロートも聴いているとその壮大さに悶絶して身体がよじれますけど、
こっちは別の意味でよじれるんですよ!まるで雑巾絞ったみたいに!!”(p174-175/第27章 アリエル・ベンダーー)
この一文読んだだけでも、大多数の人は「いったいどんなソロなんだよ?!」と聴いてみたい衝動に駆られるものと思いますが(笑)
全編に及んでROLLYさんのロック愛が文に滲み出ていて読んでて、とにかく気持ちイイ一冊です ^〜^♪