先週、刊行記念トーク&サイン会⬇︎に参加した
『野球を裏切らない 負けないエース 斉藤和巳』を読了。
いざ読み始める段階で「分厚ないなぁ」とページ数を確認すれば・・335(!)
野球選手本にしては相当な量ですが、前日50ページちょっと読み、読み応えから翌日300ページ弱進み一気に最終ページまで。
無名校控えから球史に名を刻むエース、そして・・
本書では
” 小学生のときから野球チーム(軟式)に入ってはいたものの、ポジションは捕手だった。
斉藤が進学して南京都(現・京都廣学館)はこれまで一度も甲子園に出場したことはない。斉藤より前にプロ野球に選手を送り込んだこともなかった。”(p31)
というところから投手として最高の栄誉 沢村賞に輝くこと2回の華々しい絶頂期、
その反動から再起を賭け6年間の地獄のリハビリに向き合ったものの、ついぞ復活登板の日は訪れず、
球団からの再三の要請を受ける形で実現した2013年7月29日の「メモリアルピッチ」等々、
斉藤和巳さんが刻んできた半生が、周囲の証言を含め濃密に描かれています。
「斉藤和巳」を体現させた肩痛
余りある才能を持ちながら苦しめられた肩痛に関して
” 斉藤は引退するときに「肩を故障してよかった」と語っている。
・・中略・・
「肩の手術をして長くリハビリをしたことによって、いろいろな方と出会い、多くのことを学んだからです。”(p326)
という現役生活の振り返りに、著者 元永知宏さんは
” 斉藤ほどの素質・能力を持った選手はなかなかいない。だが、彼が36歳の年まで波乱万丈の野球人生を送ることができたのは、「出会いを力に変える能力」があったからだと私は思う。”(p335)
と本書締めの「おわりに」で述べられ、恩師の一人である王貞治元監督は
“「ファンに強烈な印象を与えるピッチングしたからね。100勝以上していても、名前を忘れられてしまう選手はたくさんいる。
名球会のメンバーだってそう。でも、一度、ファンの心に刻まれた名前はずっと残るんだよ」”(p303)
また、福岡ダイエーホークス時代から兄貴分として斉藤和巳選手にプロとしての在り方を示し、一流選手の途を拓いた小久保裕紀さんも
” 和巳は、投げられなくなるまで投げた。そういう意味では、幸せだったかもしれませんね。だからこそ、いまでも彼のことがクローズアップされるのでしょう」”(p254)
それぞれ斉藤和巳選手時代を評価され、記録よりもファンをはじめ強烈に記憶にその名を刻んだ
斉藤和巳さんの熱い生きざまに迫ることの出来る著書です。