佐藤究さんが描いた震撼させられし闇の向こう側:『QJKJQ』読了

小説家 佐藤究さんの『QJKJQ』を読了。

昨年(2021年)↓で

<< 2021年12月19日投稿:画像は記事にリンク >> 佐藤究さんが描いた果てしなく深淵なる闇:『テスカポリトカ』読了

直木賞受賞した佐藤究さんですが、本作(『QJKJQ』)では2016年に江戸川乱歩賞を受賞。

『テスカポリトカ』で佐藤究さんの世界観に触れて以降、作品に向き合う前( ↓の時など)には

<< 2022年1月4日投稿:画像は記事にリンク >> 佐藤究さんが描いた暗黒に堕ち疾走した男の軌跡:『サージウスの死神』読了

相応な覚悟のようなものを感じていますが、本書(『QJKJQ』)のあらすじを裏表紙から転記すると

” 女子高生の亜李亜は、猟奇殺人鬼の一家に生まれ、郊外でひっそり暮らしていた。

父は血を抜いて殺し、母は撲殺、兄は咬みついて失血させ、亜李亜はナイフで刺し殺す。

ところがある日、部屋で兄の惨殺死体を発見する。翌日には母がいなくなり、亜李亜は父に疑いの目を・・・。

第62回江戸川乱歩賞受賞の長編ミステリー。”

とあり、母がいなくなったところから犯人探しのミステリーが展開されていくのかと思いきや

二重、三重といった底知れぬ形で状況は暗転していき、謎めいたタイトルの

” そしてトランプのカードがQJKKJQじゃなく、QJKJQだった理由は?  なぜKはひとつなのか ー “(p306)

なるトリガーも状況に拍車をかけ、

後半に差し掛かると次第に闇に光が当てられていき、エピローグで希望のような錯覚に救いに近い感覚を覚えたものの

「よくこのようなストーリー考えたなぁ」と、覚悟に見合う!?一筋縄ならぬ闇の深さを見せつけられた読中&読後感。

通底する世界観

昨年12月から月一ペースで佐藤究さん作品の読み本作で3冊目でしたが、

購入本に書かれていたサイン

まだ約650ページに及ぶ大作(=『Ank:a mirroring ape』)が残されており、「また、強烈な思いを引っ張り出されるのだろうなぁ」と楽しみであるような、やや及び腰にさせられるような・・


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