佐藤正久参議院議員の『知らないと後悔する日本が侵攻される日』が、
プロローグ すでに戦争は始まった。日本侵攻は2027年か
第一章 ロシアはなぜあれほどウクライナに苦戦しているのか
第二章 ロシアは北方領土を返すつもりはない
第三章 北朝鮮のミサイルは東京を焦土にするか?
第四章 中国は台湾の次に尖閣を狙う。その時、日本は!
第五章 まったく新しい戦争と人間
第六章 世界平和実現を絵空事にしないために
と章立てされているうち「第一章 ロシアはなぜあれほどウクライナに苦戦しているのか」まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
サイン本販売情報に
即応して入手していた経緯。
ウクライナから学ぶべきこと
冒頭、
” 2027年、日本がウクライナのようになる ー 。
これは決して、脅しではありません。私が本気で心配している「迫りつつある危機」です。総理や国会議員、周囲の人々にも必死にそれを伝えています。”(p16)
というガツーンと打ち込まれる一文に始まる本書では、
” 私たちからすれば、北海道が上にある地図が常識です。ところが、逆さにすると、26ページのようになります。ちょっと違和感があるでしょう。
でも、ロシアや中国から太平洋を見た場合、日本はこのように見えるのです。
ロシアや中国の指導者になったつもりで、この地図を見てみましょう。日本はどのように映りますか?
とても邪魔な存在でしょう。沖縄の小さな島々まで含めて、日本列島は大陸に蓋をするように横たわっています。
太平洋に出ようとする時に、通せんぼするように日本列島がある。ロシアや中国からすれば「ああ、邪魔だ。日本が自国領ならスムーズに太平洋に出られるのに」と、地団駄を踏みたい気持ちでしょう。”(p25)
という最近とみに耳にする地政学から紐解く隣国からの視点で捉えた日本に、
刻々と進行しているウクライナ情勢に関して、
” もう一つ気がかりなのは、今回、ロシア空軍の戦略爆撃機などは出動しておらず、ほとんど残っていることです。
ミサイル巡洋艦「モスクワ」が撃沈されたことが大きく報道されましたが、巨大な海軍にとってはかすり傷程度でしょう。
実質的に、海軍はほとんど動いておらず、戦力はそのまま残されている。海軍と空軍が中心となって日本に攻めてくることは、可能性としては十分にあり得ます。”(p56-57)
と原稿が書かれた時点(2022年8月出版)と現時点でラグがあるにせよ、昨今ロシア劣勢を伝える報道で占められている中、別途の見立てに、内容によって専門的な見方が示されており、元陸上自衛官にして現職の自民党外交部会長というキャリアから書かれてあることが重みを伴って伝わってきます。
「第二章 ロシアは北方領土を返すつもりはない」 以降の内容に、タイトルに絡み心得ておくべき水面下で進行している現実に、相当にシビアな記述を予想せざるを得ませんが、ページが進むほど興味を強くさせられています。