シクスト・ロドリゲスがフォークシンガーとして起こした奇跡の人生:『シュガーマン 奇跡に愛された男』鑑賞記

 

「この年末年始期間は、全然映画を観ていなかったな」と。

当初、「ブラッド・ピット主演の最高傑作」とのコピーもあった『フューリー』を観に行こうかと思いきや、上映時間やら日程が噛み合わず、断念。

鑑賞作ゼロという状況も、映画好きとしては「味気ない」なと、レンタル店に立ち寄り『シュガーマン 奇跡に愛された男』をピックアップ。

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パッケージを見て知りましたが、オスカー(アカデミー賞)受賞作でありました

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キッカケは、かつて作品の予告編を見ていた記憶があったのと、昨年、Facebookのニュースフィードで好意的なレヴューを目にしていたため。

1人のファンから始まった地球の裏側での奇跡の物語

作品の方は1970年代にアメリカで、ボブ・ディランよりも辛らつか歌詞をのせたレコードを出すもさっぱり売れず。

程なくレコード契約も失い、建築現場で働くなどの表舞台から退くも

数少ない音源をアメリカから南アフリカに持ち込んだ人が居て、アパルトヘイトで閉塞感漂う国から、

そのメッセージ性が現場を打開する突破口と見做され、口コミ的に広がり大ヒット。

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南アフリカで大ヒットを記録した RODRIGUEZ “COLD FACT”

どうやらその広がりが正規な法手続きに則っておらず、海賊盤が流布したようで

そんな状況につき、アーティスト本人の情報も不確かなもので、南アフリカ国内ではステージ上で自殺を遂げたとの話しが広まっていた。

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ロケ地となった南アフリカ、ケープタウンのカットも随所に散りばめられ印象的でした

 

立ち上がった男、奇跡の導火線

南アフリカ国内の音楽シーンを席巻した人物の情報が殆どないことに疑問を感じ、歌詞に登場する歌詞など数少ない情報を頼りに

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本人に行き着く手掛かりは、歌詞に登場する地名など僅か

アーティスト本人に関する調査が個人レベルで行われたところ、アメリカ国内で本人が生存している事が判明。

20年以上の時を経て、コンサートが行われるまでに至ったというのが、あら筋。

『シュガーマン 奇跡に愛された男』予告編

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本人には驚きの、南アフリカ国民には奇跡の瞬間

 

奇跡の物語の主人公は、等身大の魅力に満ちた謙虚な表現者

アメリカで陽の目を見ることが無かった作品が、自分の知らぬ間に地球の裏側とも呼べるような距離で

爆発的にヒットしていたという、インターネットが普及した現代では信じられないような話しですが

実在したシクスト・ロドリゲス/Sixto Rodriguezのドキュメント。

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イラスト、アニメ処理を使われたカットが印象的

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誰もが「ウソでしょ?!」なんて真っ先に感じるストーリーですが、微笑ましかったのが

南アフリカに凱旋して、大歓迎され、各所で売り切れ公演を続出させたものの

本人はギャランティの類を殆ど寄附等にあててしまったいうもの。

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Sixto Rodriguez

本来、ミュージシャンとして享受出来た富であったり、名声に本人にとって重要なものではなく

肉体的に重労働を強いられる仕事で生計を立てたとの事。

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取材に応じる Sixto Rodriguez

歌詞を生む原体験が、生活を支えるための苦労等に根差していたからこそ、大事にしていた部分であったと思いますが

それでも南アフリカで5万枚売れればヒットというところ推計50万枚の記録的な支持。

エルヴィス・プレスリーよりも有名な状況を招き入れるまでになったのでしょうが、才能はあっても売れる事とは別物。

作品中に流れる音楽を聴く限り、歌詞のストレートさは英語を母国語としていないゆえ、心に響くまでの領域ではありませんでしたが

メロディー、声とも聴きやすく、自分の知る限りのフォークカテゴリーで売れても不思議ではない感じ。

「どっかで聴いた事ある感じ(声)だな」と思っていましたが、私的に声は、どことなくR.E.M.を想起させれれました。

“Searching For Sugar Man” Original Sound Track

厳しい現実と共に、1人の人間の生き様として痛快、一般的な表現を用いると「元気をもらえる」作品でありました。

 


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