・・そして連日で
翻訳家 柴田元幸さんご登壇のイベントへ。
今回は『ヘミングウェイで学ぶ英文法』発売記念イベント
倉林秀男(著者・杏林大学准教授)×河田英介(著者・国士舘大学講師)×柴田元幸(翻訳家)×阿部公彦(英文学者)「英語は文学で学ぼう! ヘミングウェイを題材に」
という内容で、
前日はSteven Millhauser:スティーヴン・ミルハウザーがメインで、今回は文学に精通していなくともその名が広く知られるErnest Hemingway:アーネス・ヘミングウェイにフォーカス。
enter the ヘミングウェイの世界
まず、『ヘミングウェイで学ぶ英文法』の著者である倉林秀男さんと、河田英介さんから出版の経緯についてお話しがあり、
お二人とも大学で教鞭と取られているところ、学生が感覚で英文を読んでいるところ「文法的に読むと面白いよ」というアドヴァイスをする中、
本書を企画書を数社に送ったところ大手から芳しい反応を得られなかったもののアスク出版から刊行に至ったとのこと。
なお、同社でも「売れないよ」との声が聞かれたものの、実際は「売れている」そうな。
本書に関して出版社の方は「普通の構成をしている本」と説明されていましたが、柴田元幸さんは「結構。文学価値があるんですよ」ということが伝わる今までになかった本であると高評価。
肝心のアーネスト・ヘミングウェイに関しては、
倉林秀男さん曰く、凄く簡単な英文で書かれているのだけれども(最初は)意味が分からないという事態に陥り、
日本ヘミングウェイ協会なる団体があるそうで、そこで疑問を発すれば十人十色の回答となってしまったそうな。
柴田元幸さんは作家の偉大さということではアーネスト・ヘミングウェイよりも、
William Faulkner:ウィリアム・フォークナーを評価されているようにお話しされたと思いますが、
それでも『In Our Time(われらの時代)』の作品名を上げられ、
アーネスト・ヘミングウェイ登場後、(ヘミングウェイに)影響を受けていない作家はいない断言され、削ぎ落とされた文章表現、潔さといった点を特徴として言及されていました。
細かいところでは and の用法など、ご登壇の四方で捉え、解釈が分かれるなど、そこに翻訳の難しさ、醍醐味を感じた次第。
奥深きヘミングウェイの世界
トークの最後半には配布された資料から
登壇者それぞれが⬆︎「好きなヘミングウェイ作品と、特に印象に残っている一節」との問いに対する回答が述べられ、
アーネスト・ヘミングウェイの作品によっても好き嫌いが割と分かれるようで、
まだ、代表作に『老人と海』がある程度の知識で、
ヘミングウェイの世界に直接的に触れたことのない自分としては、分かっていればより深く楽しめた空間であったと思いますが、
その前段階/プレリュードとして、この日インプットされた情報はとどめておこうと思います ^^
トーク後には、登壇者揃い踏みでのサイン会。
柴田元幸さんのエッセイ集を買い求め、
記念の一品を持ち帰ってきました。こちらの内容も楽しみです ^〜^