映画監督新海誠さんの『小説 天気の子』を読了。
映画『君の名は。』の構成が
重層的(「観る度に発見がある」と言われている)であったことから、
新海誠作品を本で読むのに苦戦、
するかと思いきや・・ 早々に設定が頭に入り、300ページ超を二日で読み切りました ^^
天気を操る少女
東京へ家出してきた少年が、
” ノートには大きく『お天気、お届けします』と書かれていて、その下にはデザイン案や申し込み方法や料金体系のメモ。僕が考えた「晴れ女ビジネス」WEBサイトの設計図だ。”(p98)
とアイディアを思いつき、そこに
” 人間の願いとか祈りとかってのは、現実に世界を変える力があるんじゃないか。
俺たちの脳みそは頭蓋骨の中で完結してるわけじゃなくて、なんらかの形で世界全体と繋がってるんじゃないか。
・・中略・・
だからまあ ー 俺はさ、あの女の子の能力は、いろんな人の想いを受け取って世界に届けるっていう、なんかそういうもんなんじゃないかって思うんだよね。”(p117)
という特殊能力を持った少女に出逢い、そこからファンタジーも入り混じって・・ と、ストーリーは展開していきます。
小説は小説、映画は映画
東京が舞台で、新宿をはじめとして馴染みあるロケーションで繰り広げられる状況に親近感を抱いたり、
映画を観ることを前提に本を読んでいたので「このシーン、映画ではどう描かれているのかぁ」といったことを想像する楽しみに。
映画に関して、新海誠監督は「あとがき」で
” 映画版と小説版の違いについて言えば、両者は基本的に同じものである。ただし、小説にあって映画にはない、という描写はけっこうある。
これは別に映画で描ききれなかったというわけではなく(映画は映画で過不足なく作ったつもりです)、
小説のためのサービスというつもりだったわけでもなく、映像と小説というメディアの違いに起因すると思う。”(p297)
と述べられており、同じなんだけど、違った楽しみかたが出来るという
本書で得られた読後感を、後日、映画版で重ね合わせてみて、どのような感情が引っ張り出されるか楽しみにしたいと思います。