写真家 篠山紀信さんが、1991年に樋口可南子さんをモデルに発売され、センセーショナルに話題をさらった『water fruit』が、
イベントを知り、時期を同じくして、篠山紀信アーカイブ ー 1966年から現代まで ー が開催されていたことから
「ふら〜っ」と店舗に立ち寄った際、一冊だけ👇
これも衝撃的であった宮沢りえさんとの『Santa Fe』(篠山紀信さんサイン入り)が1冊だけ発売されており、
(ファンではないながら)「う〜ん、これは〜!」と、レアさに惹かれ、その場の気分の盛り上がりから購入〜イベント参加権を入手していたもの。
『water fruit』発売の衝撃と舞台裏
興味としては、仕掛人、ブームの起こし方といったことにありましたが、
いわゆるヘアヌードを称される先駆けとなった『water fruit』が発売される1991年よりも前の1987年にヘアを含む写真集は発売されており、
よもや『water fruit』のリリースが物議を醸すことになろうとは思ってもみなかったとのことで、法律に抵触する恐れがあることも予期していなかったそうな。
その後は新聞紙に週刊誌などで取り上げられ、叩かれといった展開に・・。
トークでは『water fruit』発表に至るまでの樋口可南子さんとの歩みなどについて語られ、
女優がヌードになると、突如感情を抑えられなくなり、涙を流し始めることが多く、
樋口可南子さんの場合も同様で、篠山紀信さんが撮影された(樋口可南子さんの)涙の写真に、数々の作品がスライドを用いるなどして紹介されました。
なお、篠山紀信さんご自身では「ヘアヌード」の表現を用いたことなく嫌悪しており、エロ目的で撮ったものではないが、かといってアートとも芸術とも言っていないとのこと。
因みに、宮沢りえさんとの『Santa Fe』は、撮影現場で焚き火にあたっていたりえママに、
「りえちゃんも18歳になったんだからヌードくらい撮らなきゃ」と冗談半分に話したところ「撮るなら連休明けね」と思わぬ回答を得られ、ダメ元からの発言が具体化していたそうな。
メッセージの中で重みを感じたのは、出版不況であるに最中、銀座の一等地に銀座 蔦屋書店が出店したことに時代に対して発信している姿勢を感じられていること、
それとは対照的に、この頃の写真家に編集者にそういったものが感じられない現状を憂いておられたこと。
スマホの台頭、ポートレート撮影のコツ
1時間ほどのトーク後、質疑応答の時間が設けられ、面白かったのはスマートフォンの高機能化について質問が飛んだことに対して
篠山紀信さんは、写真が発明されてせいぜい200年くらいのものだが、一番の変革はデジタルの登場で、2000年頃から仕事の在りようがガラリと変わったとのこと。
篠山紀信さんご自身はスマートフォン撮影は苦手であるものの、脅威に感じておられると。
また、ポートレートの撮り方のコツについて問われ、誰であれ、その人が持っている魅力、個性を掴まえ表現して上げること。
写真は撮られて嬉しいもので、被写体を素敵に撮って上げようという善意が大事であるといったお話しを、第一線で活躍されている方からお聞き出来たことは興味深かったです。
ポートレート撮影に関してご興味のある方は、12月1日に場所は同じく銀座 蔦屋書店で篠山紀信さん登壇のイベントが開催されるとのことです。