評論家 副島隆彦さんが、2016年11月に上梓された『ユーロ恐慌 欧州壊滅と日本』を読み始めて
6章まであるうちの3章(+特別レポート)までを読み終えたので、そこまでのおさらい。
ドイツが危ない
本を読むまではドイツに関して、EU、ヨーロッパを牽引し、ひとり勝ちという捉え方をしていましたが、
「まえがき」で
” この冬に、ヨーロッパ金融崩れが起きそうだ。「ユーロ恐慌」である。ドイツ銀行が危ない。破綻したら負債総額は2.2兆ユーロ(約260兆円)だそうである。
ヨーロッパが団結して何とかするであろう。が、この打撃は世界中に広がる。”(p4)
という黄信号→赤信号の状況の示唆に、詳細は本書を参照頂ければと思いますが、
” ドイツの情勢から話す。目下、騒がれているドイツ銀行が破綻する問題以前に、中央銀行であるドイツ連邦銀行の財務状況を知るべきだ。
すなわちドイツという国家の本当の金融状況である。ドイツは、EU28ヵ国の盟主として、ヨーロッパで一番強い国であり、経済的には盤石と見られている。しかし、実情はかなりの問題を抱えている。
問題を生み出しているのは、「TARGET 2」という銀行間の決済システムである。
これはECBが、ユーロ通貨圏の各国中央銀行とコンピュータ・ネットワークで結び、連動して資金を決済するという仕組みだ。”(p116-117/カッコ書きは省略)
と問題の深層に、
特別レポートでは日本についても、言及があり、
” 日本国債のイールドカーブ(P 129)を見ると、7年目から急に右肩上がりになっている。償還期限が7年(7年もの)の国債から金利が急に高くなっている。
このことが何を意味しているか。ことは重大である。「マイナス金利は、あと7年しかもたない」と、マーケットが見ていることを示しているのだ。
経済学者やアナリストが予測しているのではない。マーケット自身が「マイナス金利は、あと7年しかもたない」と、無言のメッセージを発している。
この客観データは、ものすごく重要だ。
国債の金利は市場で決まる。市場がプライシングする。「値決めする」のだから。
・・中略・・
日本国債の累積の発行残高は、すでに800兆円を超えた。2016年末で「838兆円になる」と財務省は発表した。
このための1年間の利払い費用は10兆円である。このペースで新発債、借換債を出し続けると、どうなるか。
発行残高が加速度的に増える。と同時に、やがてすべての国債が新しく発行したものに入れ替わる。
この「国債の入れ替わり」が、いつ起きるのかを計算すると、実は7年後なのだ。イールドカーブが右肩上がりになるタイミングと見事に一致する。
私たちの業界で言う、「国債のガラガラポン」だ。つまりこのとき、国債の引き受け手がいなくなり、国債金利が跳ね上がる。
それが今から7年後、西暦2023年に迫っている。そしてこのことを、マーケット自身はもう織り込んでいる。
このことをP 129の「日本国債のイールドカーブ」が示している。”(p130-131)
金融発の近未来シナリオ
先日、読了した ↓
『銀行消滅 新たな世界通貨体制へ』よりも、金融、経済にフォーカスした内容で難解に感じられるところありますが、
逆に不得手、馴染みの薄いカテゴリーでもあり、ことの真相、おこり得べき近未来についてしっかり学んでおこうと思います。