何度かイベント告知でお名前を拝見し、自然と頭に入り
更に、お名前を拝見する都度「満員」となっている状況に、
wikipediaを参照すると
” 彼の翻訳した本は注目を集めるため、レベッカ・ブラウンなどは本国アメリカよりも日本での方が人気が高い。”
との評価もみられ、
「どんな方なんだろう?」との好奇心が湧きアンテナが立った『私たち異者は』刊行記念 柴田元幸 トーク&サイン会に参加。
冒頭「はじめに10分くらい雑談をします」との切り出しから
対象書籍(『私たち異者は』) 著者 Steven Millhauser:スティーブン・ミルハウザーを知ることになったきっかけ、
村上春樹さんが『熊を放つ』を翻訳された際、
しっかりチェックしてもらいたいとの意向からメンバーが召集され、柴田元幸さんもチームの一員に加わることになり、
その仕事ぶりを村上春樹さんが評価され、(チームの)一人二作づつお気に入りの作品を持ち寄り、翻訳したアンソロジーを出版しましょうとの提案を受け、
当時、柴田元幸さんがアメリカ現代文学について何も知らない状況ながら、作品を探しに立ち寄った大盛堂書店の洋書コーナーで手に取ったのが、
スティーヴン・ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』であったという経緯に始まり、
翻訳する過程で抱いた「怖かった」との先入観があったものの、やがて大学で予算が付き、誰か一人作家を呼べる状況からスティーヴン・ミルハウザーを日本に招くことになり、
先入観を覆され、現在は(スティーヴン・ミルハウザーが)New York Yankeesファンであることから田中将大投手が好投するとメールが届くといった関係にまで ・・ といった交流話し等々。
アメリカ文学への誘(いざな)い
1時間40分に及んだイベントで、『私たち異者は』に収録されている「大気圏圏外空間からの侵入」を含む3作品の朗読があり
作品の背景がしっかり頭に入られているだけに、抑揚をつけた読みに展開されるストーリーの奥深さの広がりを感じたり、
質疑応答に、最後はサイン会という構成。
サインを書いて頂いている間、『私たち異者は』が238ページに及ぶ厚みから
「(『私たち異者は』の)翻訳を完了されるまで、どのくらいかかったですか?」と質問させて頂けば、
「気合で、一ヶ月半」という回答を、前後、大学にいらした頃のお話しを交えてご回答頂くなど、
アメリカ文学を意識させられる本編とともに、お人がら伝わる機会にもなりました。
わたし的にアメリカ文学といえば、原点は定番『トム・ソーヤの冒険』に、
『ライ麦畑でつかまえて(キャッチャー・イン・ザ・ライ)』に、
サントラ陣の豪華さ&映画から入った『レス・ザン・ゼロ』(Bret Easton Ellis)がお気に入りの懐かしき頃があり。
或いは、これも映画『スモーク』(Paul Auster:ポール・オースター)で描かれた世界観に・・
また、その領域に足を踏み入れてみようかと、柴田元幸さんきっかけで、かつての仄かな自身のブームを刺激された思いに触れました。