水道橋博士が切り込んだ長州力、そしてプロレス重大事件の深層:『長州力 最後の告白』読了

先週末、中間記↓をアップロードしていた

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水道橋博士の『長州力  最後の告白』を読了.-

約280ページに及ぶ厚さと読了後の数々の付箋と・・

本を読み始める前は、本の厚みに相応の労力を覚悟していたものの、

書かれてあることへの興味と、文字も比較的大きめに書かれていたこともあり、ペース良く読了に至りました。

格闘技ブームの陰と光

本の後半(第5章〜)に書かれてあったことは、一旦、長州力さんがリングシューズを脱ぐ決意をし、現役生活にピリオドを打った背景であったり、

“「復帰は興行的な後付け、まず興行ありきですよ。お客さんを入れなくちゃいけない。それはやっぱりウチは興行会社ですから。」

・・中略・・

でも興行的な入りという意味で言うと、営業サイドからすれば、大仁田と僕ってのは、打ち出しやすい図式だったんです。”(p139)

という大仁田厚戦で復帰に至った経緯、或いは

格闘技がブームとなった裏側で、新日本プロレスが冬の時代を迎えた中での

” 格闘技系の選手はそれなりに高い波に乗っかれる。そして一瞬にできて一瞬に消える。

僕の感覚からすれば、残りの人生の半分は、みんな潰れちゃってるイメージがあるんですね。

プロレスラーは一瞬ではできない。何十年もかかる。でも何十年もかかるということは、何十年もメシが食える。この違いは大きいですよ」”(p177)

なる長州力さんの指摘には、

UWF(系列)に夢見た人間としては、離合集散に短命に期してしまった傷跡もあり、腹落ちできる言及でした。

この流れで興味深かったのは、長州力さんが、東京ドームで開催されたヒクソン・グレイシー対高田延彦戦に関して

” 高田はすごいチャンスを掴んだじゃないですか。あいつはよく頑張ったと思うんですよ。

要は興行ですけれど、ヒクソンとは東京ですよね?  うん、よく頑張った」”(p179)

と、例えばアントニオ猪木さんが、

“「よりによってプロレスの一番弱いヤツが出ていった」”(p179)

と称したり、トホホな舞台裏は

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で記されていたりで、一般的な受け止められ方が芳しくない中、思いの外、高評価であったこと。

言われてみれば、私も確かに結果に対する失望はありましたが、「あのような(戦前の)ワクワク感はなかなか味わえないよなぁ」と。

プロレスに熱された者への

長州力さんと水道橋博士による特別対談は、プロレス史の重大事件に関して新証言!といった期待感を抱いていましたが、

水道橋博士が

” 残念ながらプロレスのこととなると、長州の口は重くなる。”(p242)

と述懐されている通り、多分にプロレス<芸人論に寄せられてしまった感で、

長州力さんが水道橋博士に対して本書のオファーを出した意図に関して「?」となる部分もありましたが、

一時、プロレスに魅了された一人、その最も熱かった頃に、その後も脈打ってきた歴史に・・ 私個人、本書を手に取る必然性は有り、読み応えも感じることが出来ました。


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