先日、中間記をアップロードした
鈴木宗男 新党大地代表と元外務省主任分析官 佐藤優先生の共著『反省 私たちはなぜ失敗したのか?』を読了。
最後「おわりに」まで全289ページを読み終えての感想は、外務省内で渦巻いた権力闘争に、男の嫉妬に、、
重苦しいまでの人間模様、果ては収監にまで至ってしまったという息苦しさを感じずにはいられず・・。
但し、後述しますが、結びのトーンは至って前向きで、読み応えも読書を通じて感じたことに。
お二人に吸い寄せられる源泉
読み人の立場によって、鈴木宗男代表と佐藤優先生の恨み節と捉えるか、真相を明らかにしたと捉えるか、
本書を読んでの感想は大きく分かれるものと思いますが、当然、私は後者に属し、
例えば、いわゆる鈴木宗男事件で、(当時の)鈴木宗男議員に対して議員辞職勧告決議案が提出された際、
” 逮捕の2日後、衆議院に鈴木宗男の議員辞職勧告決議案というのが出て、賛成多数で可決された。
その直前に野中広務先生から弁護士を通じて私に「若い議員たちが何人も相談に来ている。
みんな鈴木さんには世話になったから、決議案に反対したいとか、採決を欠席したいという。あんたの考えを聞かせてくれ」と話があった。
私は「政治家、とりわけ若手政治家は、次の選挙がいちばん大事です。人間関係から反対や欠席したとなると、間違いなく選挙に影響してしまう。
私はなんとも思わないから、野中先生から全員に「堂々と出席して起立賛成しなさい。それが生きる道なんだ」と伝えていただきたい。
私はまったく心配いりませんから」と答えた。翌日、弁護士さんから、野中先生は泣いて「鈴木さん、すまんな」と言ってくれたと報告を受けました。”(p274)
といった舞台裏話しに、或いは本書を締めくくる「おわりに」で、やはり鈴木宗男代表が
” 国策捜査で逮捕された私は、人というのは、どんなに用心していても、思いがけず裏切られ、足許をすくわれ、罠に陥れられることがあるものだと痛感している。
どんな人生にも「運」がついてまわるのだ。よい運もあれば悪い運もあって、私たちはそれに抗うことはできないのだと考えている。
・・中略・・
私は人生を諦めなかった。正直言えば、検察官が示すデタラメな調書にサインして政治家を辞めてしまおうと思いかけた瞬間はあったが、
家族や友人たちの励まし、というより叱正に近い声に、私は再び立ち上がった。生きていれば必ずいいことがあるはずだと。
・・中略・・
人生に挫折は付きもので、何事も自分の計算どおりにはいかない。成功への階段を順調に上がっている人でも、ある日突然、私たちと同じような目に遭わないとは限らない。
私がしみじみ思うのは、人生には坂が三つあるということだ。一つは「上り坂」、一つは「下り坂」、そしてもう一つが「まさか」という坂だ。
「まさか」は交通事故かもしれない。ガンという病気かもしれない。会社の倒産や同僚の裏切りかもしれない。
本書は、この「まさか」の目にできるだけ遭わないために、また、そんな目に遭ったとしても被害を最小限にとどめるために役立つはずだ。”(p286〜289)
といった件(くだり)に、一旦、絶望の淵に突き落とされても、自分自身を信じ、希望を捨てることなく、前向きに歩みを続けておられる(お二人の)姿勢に、
自分は在りようをはじめ大きな学びを得ていて、機会を捉えては東京大地塾に足を運んでいる理由も、そのあたりに起因してのことであろうと、本書を通じて実感した次第でした。