橘玲さんが「努力しても報われていない人たち」へ贈った迫力あるメッセージ:『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』読了

先日、「読み始め」という事でアップロードした橘玲さんの『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』を読了。

>> 橘玲さんが指南する残酷な時代を生き抜くために必要な「たったひとつの方法」とは:『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』読み始め <<

「読み始め」以降、第2章以降のパートが所々捉えづらく、読んでいる途中

「どうやってまとめられるかなぁ」なんて困惑気味であったところ

終盤は見事にまとめられていて、ハードルを下げられました(ふぅ〜)

報われない「努力」を認める

本書が上梓された経緯に関して「あとがき」で、

” この本は、自己啓発のイデオロギーへの違和感から生まれた。

能力に恵まれた一部のひとたちが、その能力を活かして成功を目指すのになんの文句もない。

でもぼく(橘玲)は自分が落ちこぼれだということをずっと自覚してきたから、

「努力によって能力を開発しよう」といわれるとものすごく腹が立つ。

その一方で、「能力がなくても生きる権利がある」というナイーヴにいうこともできない。

いくら権利があったって、お金が稼がなければ生きていけないのだから。” (98%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)

don't need magic

という土台をもとに、本の序盤の記述を引用して・・

「幸せ」のモノサシ

” 高度化した資本主義社会では、論理数学的知能や言語的知能など特殊な能力が発達したひとだけが成功できる。

こうした知能は遺伝的で、意識的に 「開発」することはできない。すなわち、やってもできない。

ところがその一方で、金銭的に成功したからといって幸福になれるとは限らない。

ヒトの遺伝子は、金銭の多寡によって幸福感が決まるようにプログラムされているわけではないからだ。

ひとが幸福を感じるのは、愛情空間や友情空間でみんなから認知されたときだけだ。” (94%)

” 自由で効率的な情報社会の到来は、すべてのひとに自分の得意な分野で評判を獲得する可能性を開いた。

だったら幸福への近道は、金銭的な報酬の多寡は気にせず(もちろん多いほうがいいけれど)、

好きなことをやってみんなから評価してもらうことだ。 ・・中略・・

とはいえ、好きなことで大金を稼げるのはビジネス能力に恵まれたごく一部のひとたちだけだ。

これはものすごく不公平なことだけれど、しかたのないことでもある。

それでも能力があろうがなかろうが、誰でも好きなことで評判を獲得することはできる。

だとしたら必要なのは、その評判を収入につなげるちょっとした工夫だ。” (94%)

この件(くだり)を受けて・・

” 小説、映画、マンガ、アニメ、ゲーム、ファッションなどあらゆる市場にニッチがあり、

そこにはカッコいいとか好きとかの感覚を君と共有するひとたちが集まっている。

君は彼らに引き寄せられると同時に、引き寄せる魅力を持っているから、

それを上手にビジネス化することで「好きを仕事に」できる。 ・・中略・・

アメリカの有名大学でMBAを取得した優秀なひとたちが、最新のマーケティング理論を引っ提げて起業に挑戦するけれど、

ほとんど失敗する。それは彼らが儲かることをやろうとして、好きなことをしないからだ。

それに対して「好き」を仕事にすれば、そこには必ずマーケットがあるのだから空振りはない(バットにボールを当てることはできる)。

ほとんどのひとは社会的な意味での「成功」は得られないだろうけど、すくなくとも塁に出てチャレンジしつづけることはできる。” (97%)

と読者へ向けた直球のメッセージ。

本では、上記内容が肉付けされた形で綴られていて、骨を感じる所があるかもしれませんが、読み応えはあると思います。

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「金銭」ではなく、「評価」に生きる

「好き」を仕事にする事の効用自体は、本書以外でも語られていて珍しい事ではないですが、

本書の痛快さは、「努力しても出来ない事がある」「好きな事でしか能力は開発されない」といった言い切りから結論に導かれていること。

確かにニッチで細分化された趣味なれども、ソーシャルメディア、ソーシャルネットワークの普及で

ニッチを「分かり合える」仲間と出逢う事は年々容易になっている事は多くの方が実感されていると思います。

一読み手の私自身も長年抱えてきた疑問に対する回答に近づいた感覚を持ちました。

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本書で得られた結論をもとに、例えば

” 「雇われること」をやめて個人でビジネスすることをフリーエージェントという。フリーエージェントが法人化したものが、マイクロ法人だ。

「好き」を仕事にしたいひとたちのために、『貧乏は金持ち』(講談社+α文庫)で、フリーエージェントやマイクロ法人おファイナンスと税務の基本を紹介している。” (98%)

といったシリーズで読めるメリットもあり、次は ↓ の予定ですが

しばらく橘玲ワールドに浸ってみようと思います。

 


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