橘玲さんが描いた国際金融の内幕:『タックスヘイヴン』読み始め

連休明けから読み始めた橘玲さんの『タックスヘイヴン』が、

全6章あるうちの1章を読み終え、感じが掴めてきたので、これまでのおさらい。

橘玲さんの書籍は本書で9冊目となるはずですが、小説は初めて。

本書に書かれてあるような内容をノウハウといったような形で出版すると差し障りがあるため、小説の体を取っているとか、そのような背景があったものと記憶していますが、

内容の一部を抜粋すると・・

” マネーロンダリング規制が世界的に強化されて、無記名の割引債を買い集めて海外送金するような単純な手口はとっくに使えなくなった。

ダイヤモンドや絵画・骨董での資金移動は取引コストが高く、騙されたら一巻の終わりだ。

株式や不動産を使ったり、インターネットオークションを利用したり、裏社会に乗っ取られたフロント企業から貿易決済の名目で送金するなどの方法もあるが、

どれも手間がかかるし、場合によってはヤクザをあいだに入れなければならない。関係者が増えれば、当然リスクも大きくなる。”(p14)

或いは、

” 日本の税法では、贈与を受けた側が税金を支払う。一方、アメリカの税法では税金を払うのは贈与した側だ。

親が日本でも子どもがアメリカにいると、日米いずれも納税義務を負う人間が非居住者になるので、結果的に、何百億円贈与しても合法的に税金を一円も支払わずにすむのだ。

日本法人のプライベートバンキング部門はこの「脱税指南」だけでとてつもない利益をあげ、日本人トップは巨額の報酬を得た。”(p57)

など、話し(小説)の筋に絡み合う形で、国際金融に関する専門性を帯びた内容が盛り込まれています。

本書が上梓されたのは2014年4月とのこと。書かれてある内容は当時のことという前提ながら、

一時、頻繁に耳にしていた「タックスヘイブン」について、その言葉の存在程度しか掴めていなかった自分としては

未知の世界で、ストーリーの進展とともに「タックスヘイブン」の断片についても、本書で触れることが出来ればと思っています。

 


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