明治天皇の玄孫で作家 竹田恒泰さんの『中学歴史 令和元年度 文部科学省検定不合格教科書』を読み始めて
第一章 神代・原始
第二章 古代
第三章 中世
第四章 近世
第五章 近代
第六章 現代
と章立て(別途、検定審査不合格理由 等)されているうちの 第三章 中世まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
昨年(2019年)に続いての竹田恒泰さんの
教科書化(採用)へ向けた取り組みの第二弾。
(2020年10月時点)後続の第三弾の回答も得られているはずも、公表は来春まで行えないとのこと。さて・・
封印された建国の経緯
巻頭の「刊行に寄せて」で、
” 平成二十五年に福岡県で行われた高校生建国意識調査によると「日本はいつ建国したか」「日本を建国したのは誰か」という二つの問いに対して、正しく回答できた生徒は、それぞれ約二パーセント程度しかいなかったという。
・・中略・・
その理由は「学校で教えているから」にほかならない。世界に国連加盟国は一九三ヵ国あるが、学校で建国の歴史を教えていない愚かな国は、おそらく日本を置いてほかならないだろう。”(p2)
と本書(≒教科書)が書き上げられた背景に触れられ、
” 日本の教科書が建国の経緯を書かない理由は、戦争に負けたことが原因である。GHQがあらゆる出版物に適用した『プレス・コード』も然ることながら、教科書検閲に用いたGHQの『教科書検閲の基準』の影響が大きい。”(p3)
と深層を指摘。
現在、教育の現場で教科書として採用されているもの、在るべき姿として
” 中学の歴史教科書は、きわめて反日色の強い不適切な教科書が長年使われてきたのである。
しかし、その逆もまた然りである。もし真っ当な教科書が普及したなら、真っ当な青年が育ち、将来、日本の指導者になって、そのときに本当の日本が復興するのではあるまいか。
正しい教科書を普及させることの価値はじつに大きい。”(p6)
といった経過に思いが説明され、本編に突入。
今一度、「日本」を知る読書
二日で駆け足的に神代・原始から中世まで読み、
” 大宝二年(七〇二)の遣唐使は日本にとって重要な意味があります。我が国が唐に対して「日本」という国号を称したのです。これは、我が国が対外的に日本を名乗った最初の例になります。”(p87)
或いは
” 社会不安のなかで聖武天皇は詔勅により、全国に国分寺と国分尼寺を建てること、そして都には東大寺を建てて大仏を建立することを命じました。”(p94)
といった歴史上の要点に、コラム形式でまとめられた
” 伊勢神宮では二十年に一度、内宮と外宮をはじめ、すべての御社殿を新しく造り替える式年遷宮が行われます。
すべての一新しそこに神を迎え、その力が永遠に続くようにとの祈りが込められています。・・中略・・
二十年ごとに建て替えるのは「もったいない」と思う人もいるでしょう。しかし、二十年間使われた御用材は全国の神社に渡され、大切に大切に使われます。”(p145)
と解説された「神宮の御用材」など、日本人として知っておきたい記述も散見され、
日本を学びながらのページを読み進めていくプロセスに、知的好奇心をチクチクと刺激され、近世以降の展開も楽しみです。