引退試合を(2019年)6月26日に引退試合を控える長州力選手について(帯によると)因縁を持つ19人が
ざっくばらんに語った『証言 長州力「革命戦士」の虚と実』を読了。
プロレス界を包み込んだ存在感
本書で証言しているのは
前田日明さん、藤原喜明選手、大仁田厚選手、ミスター高橋さん、ターザン山本さん、田中ケロさんと選手/元選手に限らずさまざま。
279ページ+詳細 長州力完全年表と分厚い一冊ながら、
書かれてある大概のことに興味あり、さくさくっと読み進めていき読了に至りました。
トップバッターを飾る前田日明さんから
“『お前、俺らプロレスラーだよ?何回引退してもいいんだよ』って俺に言ったんだよね。
だから長州力はあと3回くらいは復帰するって予言しておくよ。そんな人に贈る言葉なんてあるわけがない(笑)」”(p35)
と飾り気なくストレートな物言いで(笑)本書のスタンスを読み取れ、
ミスター高橋さんは「やっぱりここまで言っちゃうのかぁ」と一線を踏み越えてしまった感じに(苦笑)
臆せず噛みついた
” 人間的にはどうかと思いますが、100かゼロかっていうのがプロレスラー長州力のいいところ。
みんなに優しくじゃなくて、これは好き、あれは嫌いとドーンと打ち出す。
あんなにわかりやすい人はいませんよ。あんなに好き嫌いが激しいのは、日本人1億2,000万人の中で3位以内に入ると思いますよ(笑)。
それくらい長州さんは好き嫌いも激しいし、だけど時代を読む力もある。相当頭がいい方だと思いますよ」”(p144)
西村修選手の長州力評と、さながら
『真説・長州力 1951-2015』外伝といった内容が刺激的。
読んでいてプロレス史の本流を感じた思いは長州力選手が築いた実績、存在感なんでしょうし、
そこに
” 長州はああ見えて名言を吐くんだよ。もう名言製造機。なんで藤波に噛みついたのかって聞いたら
『藤波に対するジェラシーが、俺にああさせた』とか、面白いこと言うわけよ。
『マット界に非常ベルが鳴ってる』とか『この世界はチェーンが外れてガタガタになってる』とか、そういう見出しになるような言葉のセンスがあったよね。”(p121-122)
とターザン山本さんの評価にもある稀有な(長州力選手ならではの)言語感覚も相まっての影響力であったものと。
長州力のリアル
1998年1月4日に一度引退し、2000年7月に復帰して以降、平成も長く現役として活躍しましたが、
やはり革命戦士として脚光を浴びた昭和の活躍はやはり眩しく、一方で「影、闇も濃かったんだなぁ」と
多方面から斬り込まれ実像に迫れるという長州力選手360°といった内容がファンとしては何より興味深かったです。