田尾安志さんが野球場内外で貫かれてきた生きざま:『それでも僕は前を向く  人生を強く生きるために、野球が教えてくれたこと。』読了

中日ドラゴンズなどで活躍され、現在はプロ野球評論家として更にはYouTuberとしても活躍されている田尾安志さんの『それでも僕は前を向く  人生を強く生きるために、野球が教えてくれたこと。』を読了。

サイン本入手機会に乗じ

刊行記念フェアで入手の一冊

購入していた著書。

タイトルからてっきり公表されていた

” この本を出そうと思った理由は、多くの人に心アミロイドーシスという病気への理解を深めてもらい、少しでも体に異常を感じたら、早めに検査を受けてほしいと思ったからだ。”(p8)

日本国内で2,000人程度の認定に留まる心アミロイドーシスの闘病記を軸とした内容かと思いきや・・

 第1章 だから、僕は前を向く

 第2章 野球との出会い

 第3章 野球に打ち込めた大学の環境

 第4章 中日へ入団、プロ1年生から強打者へ

 第5章 西武、阪神、そして引退

 第6章 引退後はキャスターへと転身

 第7章 楽天初代監督は、地獄に落ちる覚悟で

 第8章 家族と共に生きがい見つける

と章立てされた実際は

” 難病と向き合ったとき、プロ野球選手として幾度となく困難に直面したとき、楽天の初代監督として厳しい船出を経験したときなど、すべてのことについて偽りのない本音を明かしたつもりだ。”(p233)

という半生記。

己を貫かれてこられた生きざま

田尾安志さんといえば個人的にソフトな外見から伝わる印象とは異なり、西武ライオンズ移籍への発端となったとされる発言等、歯に絹着せぬ発言される印象を有していて、そのあたり

” 試合前のバッティング練習中の態度をめぐって、コーチの黒江透修さんと言い合いになった。黒江さんから「そんな態度だと、もう使うぞ」と言われた言葉に、僕は売り言葉に買い言葉で「わかりました。使わんといてください」と言って、ベンチでスパイクも履かずに試合を見ていた。”(p115)

に、

” そのときに、「これは僕を解雇しようとしているのではないか?」というのを肌で感じた。僕は、勘はいいほう。それには絶対、反発しようと思った。

だから、村山さんが阪神の監督をしている間は、絶対にユニフォームを脱がないと自分で決めた。そのためには、弱みを見せてはいけない。「やる気はあるんだ」ということをアピールしないといけない。ふてくされた態度をとったらおしまいだと思った。

二軍では先頭に立って練習した。自分は腐っていない。若手の見本になるくらいのことをしようと思ったからだ。”(p149)

など抱いていたイメージを補う記述が散見されました。

と同時に野球ファンになりたての頃、好きな色が青というところからまず好きになった球団が中日ドラゴンズで、字は異なれども名前が一緒で(同じ左打ちの)田尾選手の知られざるにたくさん触れられた著書で

購入本に書かれていたサイン

損得を顧みずご自身の生きざまを貫いてきてこられてきた点に共感したり、妥協(ほとんど)なき姿勢にブレのなさに驚嘆させられたり、予想外の読後感に導かれた半生記でありました。


Comments

comments