俳優 寺島進さんの『てっぺんとるまで! 役者・寺島進自伝』を読了。
書店で何回か本書を目撃していて(2020年2月)月初、バイきんぐ西村瑞樹さんの発売記念イベントで芳林堂書店高田馬場店を訪れていた際、
サイン本の販売を見つけて⬆︎「買ってみよう」と購入していた経緯。
役者・寺島進を支えた北野武監督
読んで印象に残るのは、何といっても北野武監督との関係性で。プロローグの
“「あんちゃん、まだ売れてないかもしれないけど、役者って仕事は一生続けていきなよ。役者はいいぞ?
スポーツ選手とか、俺みたいにしゃべる仕事は反射神経もいるし、現役を引退しなきゃいけない時期があるんだよ。
でも役者ってのは、死ぬまで現役でいられるんだから。今売れてなくても20年後、30年後に売れて、死ぬ間際に天下取ったら、あんちゃんの人生、勝ちだからよ」
その言葉をいただいたときに、ああ、俺、役者をやり続けていいんだなぁって思った。”(p3-4)
という、まだ役者として日の目を見ない時期を支えられた言葉に、
北野武監督が「ロサンゼルスで新作を撮るかもしれない」との情報を聞きつけ、先回りしてアメリカに乗り込んでしまったり、
そういった行動力から、北野組(北野映画)で欠かせぬ存在となり、ひいては
” 「寺島はあれだな、北野映画の歴史だから」”(p152)
と北野武監督に言わしめるまで。
また、
” 絶対に誰かが見てんのよ、現場で。仕事に取り組む姿勢とか、真剣さとか、毎日やってる稽古の立ち廻りでもさ。
いいところも悪いところも、見てないふりして見てんだ。”(p52)
という役者道、人生観に、運命を変えたという松田優作さんとの出会いに(p53〜)・・
役者・寺島進 これまでと、これから
幼少期から連続ドラマ『滞在刑事』で主役を務め新境地を拓き、本が出版された2020年1月の直近に至るまで、
プライベート(結婚、家族etc)を含め、寺島進さんご自身の語り口(口述筆記)で網羅的に書かれています。
本書を手に取る前からお名前に、顔は承知していたものの、鑑賞した作品に寺島進さんが出演されていた、といったそれまでの距離感でしたが、
全部で230ページ強、寺島進さんの生きざま、考えなどに触れたことで、今後、視点を切替え、ご活躍に注目したいと思います ^^
因みに、タイトルの「てっぺん」は
“「これから? そりゃ、もうてっぺん目指すよ。」”(p229)
と現在進行形の意味合いで、役者として今後更なる飛躍が期待され、寺島進さんご自身の強い意気込みでもあるように。