高見澤俊彦さんが描いた70年代にプロデビューを目指した若者たちの苦悩と脚光:『音叉』読了

THE ALFEEを率いる高見澤俊彦さんの小説デビュー作『音叉』を読了。

文庫版発売後、瞬く間に売場から消えて(売れて)いったサイン本に、「これは無理でしょう、、」と白旗を上げていた状況、

昼食前に何気なく立ち寄った書店で

まさかのサイン本発見 >> 即購入の決断

一冊だけ残されていた?!巡り合わせから購入。

実話交じりの

帯に

> 音楽と恋で奏でる青春群像

とあり、

” 圧巻は一九七一年の七月に来日した後楽園球場でのグランド・ファンク・レイルロード公演。雷鳴が轟く、豪雨の中でのライブに俺達は大興奮だった。”(p20)

に、

” 何があったんだ?考えるだけでイライラする毎日。俺はそれを振り切るために、ギターにのめり込んだ。

さらに恋の痛みとその愁傷が俺の中で楽曲創作という扉を開けさせた。”(p30)

と具体的、リアリティ感じさせられる記述の数々に「これって、小説仕立てのアルフィーの回顧録?」と思えば、

文庫版のあとがき 音叉の世界」で、高見澤俊彦さんは

” 小説での数々のエピソードなどは当然創作だが、時代背景にある音楽やファッションは、リアルに体験したものばかりだ。”(p304)

或いは

“「音叉」は架空のバンドの話でも、いくつかのエピソードは実体験に基づいている。”(p306)

と実話も盛り込まれているとのこと。随所に飛び出す

” 原題は『ルック・アット・ユアセルフ』で、直訳すれば『自分を見ろ!』になるが、それを『対自核』と訳したのが、英語の教師として気に入らないらしい。

負けじと俺も瞬間湯沸かし器の如く、こんな英語のタイトルより、漢字三文字でまとめた邦題の方が素晴らしいと反論してしまい、そのガチガチな石頭に火を点けてしまったのだ。”(p106)

ロックと現実の交差に、幾分とほろ苦さを感じながら、最後は爽やかさを覚える

購入本に書かれていたサイン

プロデビューを目指し七転び八起きする若者たちのストーリーにしばし惹き込まれました〜♪


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