夜、ちょっと遅い新年会へ向かう電車内で、「みんなの意見」は案外正しい を読み始め。
ここのところの2冊は「ゼロ秒思考」「1万円起業」と、kindle が媒体となっていたので、紙本は久しぶり。
学んで 書いて 巡って来た この一冊 との縁
本著を手に取ったのは、神田昌典さんの実践会アカデミーの教材の中で、
スペースシャトルが爆発事故を起こした際、関係銘柄の株価は当然の如く、総じて値を下げた。
半年後、調査結果が明らかとなった際、事故原因に起因した企業と、事故後、一番値を下げた企業が一致をみた事例が紹介されており
神田さんから特定は無かったものの書物で研究されているものがあるとのお話しで、その事を書いた際の一文をお読み頂いた友人から本著を紹介を受けてのキッカケ。
専門家を負かしてしまう集合知の力
まだ、「はじめに」の部分に入ったに過ぎませんが、本著が書かれた目的は・・
専門家を追いかけることは間違いで、しかも大きな犠牲を伴う間違いだ、というのが著者でコラムニストのジェームズ・スロウィッキーの主張。
冒頭では いきなり 1968年5月、アメリカ海軍の潜水艦が帰還する航路で消息を絶った事件を事例として紹介。
捜索範囲は 32km四方、深さ数千mの範囲に及ぶ。潜水艦を探し当てる一つとして提示された方法は
I >>3−4人程度の潜水艦や海流に関する精鋭の専門家に潜水艦の位置を予測してもらい、そこを探索する事。
他方で、元海軍士官は・・ II >> 潜水艦に起こったと思われる幾つかのシナリオを作成し、
数学者、潜水艦の専門家、海難救助隊など各分野の知識を持った人を集め、専門家同士で意見交換をして一つの結論を出してもらう代わりに、各自に蓋然性の高いシナリオを判断してもらうというもの。
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このアプローチのもと、元海軍司令官に集められた結論は何一つ潜水艦の位置を探し出す解決策には成り得なかったものの
各情報の断片を集めて想定した合わせ細工から、ベイズの定理なる確率論の手法を使って、潜水艦の位置を推理。
推理された位置は、何れの専門家が出した結論に沿ったものでなく、専門家全体の集合的な意見であった。
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やがて調査が行われ、果たして潜水艦が発見された場所は、上記の集合的な意見で推理された場所から僅か200m場所であった事。
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専門家の誰一人、潜水艦が沈没した理由も、航行速度も、海底に衝突した際の角度も分からないながら
集団としては解決に至る知を得ていたというミステリー。
300ページ超の集合知を学ぶ旅
事例が、これ1つという事であれば偶然として処理される事になりますが、本著では複数事例をもとに「集合知」の実態が解き明かされる模様。
これから始まる本編310頁に及ぶ「集合知」に関する学び、大いに楽しみたいと思います。その内容は、読了後に(シェアします)。